
はじめに
こんにちは。SB C&Sの友松です。本記事では、12月5日にNutanix社からリリースされたNCI 7.5のアップデート情報をご紹介します。
「NCI 7.5」とは、Nutanix製品におけるソフトウェアリリースファミリーの総称を指します。現在、NutanixのリリースモデルはAOSやAHV、Prism Central、Flowといった主要なソフトウェア群が同時にリリースされる方式になっており、このリリースファミリーのことをまとめて「NCI x.x」と呼ぶようになりました。
新しいリリースモデルの詳細については、以下の記事をご参照ください。
参考リンク: 新しいNutanixライフサイクル「NCI Release Model」の紹介
https://licensecounter.jp/engineer-voice/blog/articles/20241223_nutanix_8.html
Nutanix NCI 7.5(AOS 7.5/AHV 10.5/pc.7.5)の新機能紹介
Pure Storage FlashArray のサポート
AHVの外部ストレージ接続先としてPure Storage FlashArrayがサポートされました。外部ストレージ接続では、AHV環境はコンピューティングクラスターとなり、NCI-C(Nutanix Cloud Infrastructure - Compute)という従来のNCIよりも安価なライセンスが利用可能です。
なお、コンピューティングクラスター構成をサポートしているハードウェアプラットフォームについては次のドキュメントをご参照ください。
Compatibility and Interoperability Matrix > compute-platforms
https://portal.nutanix.com/page/compatibility-interoperability-matrix/platform-compatibility/compute-platforms
関連したアップデート
- Nutanixコンピューティングクラスター展開のサポート
- Pure Storage構成でのDisaster Recovery(非同期DR)およびバックアップサポート
Elastic VMストレージ
同じPrism Centralに管理されているクラスター間で、ストレージコンテナを共有できるようになりました。例えば、クラスターA上で稼働している仮想マシンのvDISKをクラスターBのストレージコンテナに配置することが可能です。これにより、複数クラスター環境にて、特定のクラスターのストレージ容量が足りない場合でも、別のクラスターのストレージを使用できるため、リソースの有効活用と柔軟な容量設計が可能になります。
VMスタートアップポリシー
ノード障害時のHAやクラスター再起動イベント時に、仮想マシンの起動順序をPrism Central Webコンソールから設定できるようになりました。仮想マシンレベルの起動やOSレベルの起動などを選択でき、次の仮想マシンの起動までの待機時間の指定も可能です。多層構成アプリケーションなど、起動順序が重要なワークロードにおいて有効活用できる機能です。
異なるストレージコンテナ名を使用したオンデマンドクロスクラスターライブマイグレーション
オンデマンドでのクロスクラスターライブマイグレーション(OnDemand-CCLM)にて、異なるストレージコンテナ名のクラスター間でのライブマイグレーションが可能となりました。これまでは、同一のストレージコンテナ名で統一する必要がありましたが、今回のアップデートにより制限がなくなりました。
Windows VM および VM クローン統合のゲスト カスタマイズ プロファイル
VMテンプレートからの展開やVMクローン時に、Windows VMの自動セットアップを定義するゲストカスタマイズプロファイルを作成することができるようになりました。Nutanix Guest Tools (NGT)とMicrosoft Sysprepを使用してゲストOSに設定を適用できます。なお、Sysprepの応答ファイルはPrism Central上のガイドに従って作成するか、Windows ADKなどで作成したXMLファイルを登録できます。
Prism Centralリソース割り当てとモニタリング
Prism Central自身のリソース割り当てと使用状況を確認できる画面がPrism Centralに追加されました。Prism Centralは、使用する機能によってリソース要件があり、あとからvCPUやメモリを追加していく仕組みとなります。そのため、有効化した機能や追加したリソースを可視化できるのは、管理面でとても役立ちます。
Prism Central Web コンソールのクラスターヘルスチェック
Prism Central WebコンソールからクラスターのNCCチェックが実行できるようになりました。なお、Prism CentralのNCCでは、チェック結果のメール送付を前提としていますので、送付先メールアドレスの設定が必要です。また、Prism Centralから実行したNCCはPrism Elementのタスク画面でも結果を確認可能です。
Prism Central からの物理ディスク操作
Prism Central Webコンソールから、管理対象クラスターにおけるホストの物理ディスクに対して、削除・追加・再パーティション化などの操作ができるようになりました。
認証済みNTPサーバーのサポート
認証済みNTPサーバーを設定する機能がPrism Centralに追加されました。鍵認証(SHA256やSHA512など)を使用して、セキュアにNTPサーバーに接続できます。認証済みNTPサーバーは、クラスタープロファイルの作成時に設定できます。
Nutanix Infrastructure Manager(NIM)
大規模なNutanix環境のプロビジョニングや構成・管理を支援するオーケストレーターとして、「Nutanix Infrastructure Manager(NIM)」が新しく登場しました。
Nutanix環境を「管理ドメイン」と「アプリケーションドメイン」に分割し、NIMでアプリケーションドメインの各ワークロードクラスターをプロビジョニングしたり、各ワークロードクラスターのPrism CentralをNutanix Central(オンプレミス版)で統合管理したりするといった環境を想定しているものです。
なお、今回リリースされたNIMでは、管理ドメインの作成やアプリケーションドメインのワークロードクラスター向けのPrism Centralデプロイまでが可能です。今後は、クラスターのデプロイ機能などが順次追加されるようです。
マーケットプレイスからのNKPとNutanix Centralのデプロイ
Prism CentralマーケットプレイスのNutanixアプリに、NKPやNutanix Central(オンプレミス版)が追加され、デプロイがより容易になりました。
Prism Central Backup & Restore(PCBR)の機能アップデート
- S3互換オブジェクトストレージへのPrism Centralバックアップ・リストア
Prism Centralのポイントインタイムバックアップの取得先として、これまでのAmazon S3やNutanix Objectsに加えて、汎用のS3互換オブジェクトストレージもサポート対象に追加されました。
- 任意のPrism ElementクラスターへのPrism Centralリストア
Prism Central Backup & Restore(PCBR)でNutanixクラスターに取得するバックアップでは、対象のPrism Centralに登録されたクラスターからのみ復元が可能でした。今回のアップデートにて、対象Prism Centralに登録されていない任意のPrism Elementクラスターからも、Prism Centralをリストアすることができるようになりました。
- バックアップと復元の機能強化
Prism Central Backup and Restore(PCBR)にて、カタログ、イメージ、OVA、テンプレートの復元がサポートされました。Nutanixサポートに問い合わせることで、これらのエンティティをリストアすることができます。また、タスク画面にてバックアップ状況が確認でき、ポイントインタイムバックアップの編集もできるようになりました。
Disaster Recovery関連のアップデート
- マルチサイトレプリケーションのサポート
ソースサイトに対して複数のリモートサイトがある環境において、サイト間で同期、Async、NearSyncのレプリケーションスケジュールを組み合わせで設定できるようになりました。組み合わせの詳細や制限事項については次のリンク先をご参照ください。
Conditions and Limitations for Multi-site Configurations
https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=Disaster-Recovery-DRaaS-Guide-vpc_7_5:ecd-ecdr-considerations-multisite-pc-r.html - Nutanixディザスタリカバリでのフローネットワークセキュリティポリシーの拡張性強化
セキュリティポリシーを適用したVMがクロスクラスターライブマイグレーション(CCLM)でサポートされました。Flow Network Security (FNS)Next-Genは、同一または異なるPrism Centralに登録されたクラスター間でのライブマイグレーションをサポートします。詳細は次のリンク先をご参照ください。
FNS Next-Gen support for Cross-Cluster Live Migration
https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=Nutanix-Flow-Network-Security-Guide-v7_5:fns-cclm-fns-support-pc-r.html
その他のアップデート
- Prism Centralインスタンス間のストレージポリシーの同期
- ボリュームグループのAHVメトロ可用性:手動による計画外フェイルオーバーのサポート
- Nutanix ディザスタリカバリ: VM 復元メタデータ処理
- Nutanix ディザスタリカバリ:リバースレプリケーションの制御機能
- Nutanix ディザスタリカバリ:保護とリカバリのスケール改善
- ボリュームグループ向け AHV Metro 可用性: 非対称論理ユニットアクセス (ALUA) によるマルチパス IO のサポート
Flow スタンドアロンモードの登場
Flow Virtual Networking(FVN)やFlow Network Security(FNS)Next-Genの制御プレーンとして使用されるネットワークコントローラ機能を、Prism Centralから切り離してクラスターのAHV上に展開する「スタンドアロンモード」が登場しました。現在は、従来通りの「統合モード」と、新たに登場した「スタンドアロンモード」のどちらかを選択して構成することができます。
「スタンドアロンモード」では、主に以下の特長が紹介されています。
- スケーラビリティ
Flow ControllerはPrism Centralから独立しているため、 Flow Virtual Networking(FVN)の制御プレーンのスケーラビリティを向上させます。Flow ControllerをホストするSMSPクラスターもPrism Centralから独立して拡張可能です。Flowのスケーラビリティに対する唯一の制約は、SMSPクラスターをホストするNutanixクラスタのリソースの可用性です。 - 回復力
Flow Controllerは、FlowコンポーネントのデプロイメントをPrism Centralから分離することで、Flowコントロールプレーンの耐障害性を向上させます。これにより、Prism Central VMが利用できなくなった場合でも、Flowコントロールプレーンは引き続き機能します。 - Prism Centralのスリム化
Flow Controllerを使用すると、Prism CentralはFlowのリソース要件から解放され、より少ないリソースで動作可能です。 - 複数サイトにわたるネットワーク
Prism Centralは、各サイトのNutanixクラスターにFlow Controller、Network Controller、およびその他のFlowコンポーネントを展開します。このアーキテクチャは、Nutanixのネットワークおよびセキュリティ機能を活用し、サイト間のクラスタ間での耐障害性と高可用性を備えたネットワーク接続をサポートします。 - 障害ドメインの分離
Flow Controllerでは、ネットワーク機能とネットワークセキュリティ機能がPrism Centralとは別の障害ドメインに配置されます。これにより、Prism Centralに関連するネットワークのダウンタイムを防止できます。
CVMセキュアアクセス
CVMへのSSHアクセスを無効化する機能が追加されました。これは、Nutanixがすでにアナウンスしている「SSH Bash Shellアクセスのサポート終了(EOSL)」に向けての段階的なアップデートであり、将来のバージョンにて、v4 APIの活用やPowerShellからのacli・ncliへのアクセス、また新しいSSHサービスメニューなどが代替手段としてリリースされる予定です。詳細は、次のKBをご参照ください。
End of Support Life (EOSL) for SSH Bash Shell Access
https://portal.nutanix.com/kb/20212
※My Nutanixカウントが必要です
アプライアンス版 Foundation Central
Foundation Centralの仮想アプライアンス版がリリースされました。これまでのFoundation Centralは、Prism Central上で有効化して使用するものであり、Ciscoノードでのクラスター作成ではFoundation Central を使用するためにPrism Centralを事前に準備する必要がありました。仮想アプライアンス版は通常のFoundation VMと同様に仮想化基盤上にデプロイできますので、例えば物理PC端末のOracle VirtualBox上に作成して使用することも可能です。
aCLI経由のVM-VM アンチアフィニティポリシーの廃止
aCLI経由のレガシー(Prism Elementベース)VM-VMアンチアフィニティポリシーは非推奨となり、まもなく廃止されることがアナウンスされています。現行の環境でaCLIによるVM-VMアンチアフィニティを利用中の方は、Prism CentralによるVM-VMアンチアフィニティポリシーへの移行をお早めにご検討ください。
VM-VM Anti-Affinity Policies Defined in Prism Central
https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=Prism-Central-Guide:mul-anti-affinity-policies-pc-c.html
その他のアップデート
- オールフラッシュおよびハイブリッド展開向けの自律エクステントストア(AES)とAES最適化メタデータのサポート
- 拡張コントローラVM(CVM)セキュリティ
- 消失訂正符号によるデータ再利用の高速化と効率性の向上
- 既存のオールフラッシュノードのストレージ容量とデータ保護を強化
- Mellanox CX7 200G NIC の RDMA RF2/ZTR サポート
- 外部ストレージページがストレージメニューの下に移動されました
- JDKバージョンのアップグレード
- 高度なプロセッサ互換性を実現するAMD MilanおよびAMD Genoaのサポート
- Admin Centerでのアクティビティ監視
- Prism Central での複数の vNIC サポート
- IAMでのユーザーの無効化
- IAM のユーザビリティと UX の改善
- IAM ワークフローのアクセシビリティ強化
- Prism Central の 2 段階アラートグループ化
- 設定可能なUEFIブート順序
- マーケットプレイスは OpenShift バージョン16 から 4.19 をサポートします
- 統合された Prism Central の展開およびアップグレード ワークフロー
- ポートフォリオ サービスなしの大規模および特大の単一 VM 展開では 50 個のクラスターがサポートされます
- ホームパーティションスペースの最適化
参考リンク
AOS 7.5 Release Notes
https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=Release-Notes-AOS-v7_5:Release-Notes-AOS-v7_5
Release Notes | AHV 11.0
https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=Release-Notes-AHV-v11_0:Release-Notes-AHV-v11_0
Release Notes | Prism Central pc.7.5
https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=Release-Notes-Prism-Central-vpc_7_5:Release-Notes-Prism-Central-vpc_7_5
Foundation Central Release Notes
https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=Foundation-Central-Appliance-Release-Notes-v2_0:Foundation-Central-Appliance-Release-Notes-v2_0
Release Notes | Flow Management version 7.5
https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=Release-Notes-Flow-Management-v7_5:Release-Notes-Flow-Management-v7_5
※リリースノートの閲覧にはMy Nutanixアカウントが必要です
まとめ
今回も多くの機能リリースがあり、Pure Storage対応やFlowスタンドアロンモードといった目新しいアップデートに加え、引き続きPrism Centralへの機能追加が目立っています。今後のリリースに標準搭載される機能となりますので、ぜひ早めの情報取得にご活用いただければ幸いです。
Nutanixのリリースモデルに関する情報はこちら
著者紹介
SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部 第1技術部 1課
友松 桂吾 - Keigo Tomomatsu -
DC運用や留学などの経験を経て2019年にSB C&S入社。好きなことは料理とお酒。嫌いなことは睡眠不足。
