
※本投稿で紹介される内容は、発表当時のものであり将来のアップデート内容をお約束するものではありません。
こんにちは、SB C&Sの友松です。この記事では、アメリカのシカゴで開催されているNutanix社の年次イベント「.NEXT」で発表された内容について、Nutanix製品のプリセールスを担当する当社エンジニアの視点で要約した内容を、速報ブログ形式でお伝えします。
目次
- .NEXT 2026 Chicagoのイベント概要
- はじめに
- Innovate Faster with Agentic AI(エージェントAIでイノベーションの加速)
- Modernize Now with Containers(コンテナ環境のモダナイズ)
- Run Anything Anywhere(あらゆる場所での稼働を実現)
- まとめ
- 【セミナー告知】
.NEXT 2026 Chicagoのイベント概要
.NEXT 2026は、4月7日から4月9日の3日間にわたって開催されるNutanix社の年次イベントです。昨年はワシントンD.C.での開催でしたが、今年は3年ぶりの「シカゴ」で例年よりも1か月早い開催となりました。
4月のシカゴは冬から春への移行期にあたり、平均最高気温が約11℃〜15℃、平均最低気温が約2℃〜6℃程度となります。日によって「冬のような寒さ」から「春らしい暖かさ」まで大きく変動するのが特徴で、夜間も冷え込みますので、温かい上着を持参しつつのイベント参加となりました。
私たちSB C&Sの参加メンバーは、開催前日に現地へ到着し、会場周辺を散策しながら、ミレニアムパークやシカゴ建築クルーズといったシカゴを象徴する建物を訪れ、またシカゴ名物のピザなどもいただき、この街の雰囲気を肌で感じる時間を過ごしました。なお、日本(羽田空港)からシカゴ(オヘア国際空港)への移動は約11時間のフライトで、時差は日本から14時間遅れとなります。
▼イベント会場:McCormick Place
はじめに
いま企業が向き合っているのは、単なる新技術の導入ではなく、AIをどう業務に組み込むのか、既存アプリケーションをどうモダナイズするのか、そしてその一方で、現在のミッションクリティカルな環境をどう維持するのか。Nutanixの今回のメッセージは、こうした複数の課題を別々に扱うのではなく、ひとつのプラットフォーム戦略として取り組むべきだ、という点にあるように感じられます。以降はOpening Keynoteで発表された内容を、テーマに沿って紹介していきます。
Nutanix .NEXT Day1 のOpening Keynoteでは、Nutanix のCEOである Rajiv Ramaswami 氏が登場しました。
はじめに今回の3つのメインテーマが紹介されました。
- Innovate Faster with Agentic AI(エージェントAIでイノベーションの加速)
- Modernize Now with Containers(コンテナ環境のモダナイズ)
- Run Anything Anywhere(あらゆる場所での稼働を実現)
講演冒頭では、AI導入への期待が高まる一方で、実際には「どう始めるか」「どう統合するか」「どう成果につなげるか」に多くの企業が苦労していると整理されていました。さらに、デジタル主権やハードウェア制約といった、ここ数年で重みを増しているテーマにも触れられており、Nutanix がそれらを"シンプルさ""柔軟性""選択肢"で解こうとする話への導線となっています。
Innovate Faster with Agentic AI(エージェントAIでイノベーションの加速)
エージェントAIを現場で活用するには、モデルを用意するだけでは不十分です。実際には、開発者が使うツール群、データを処理する仕組み、モデル利用を制御するガバナンス、そして全体を安定して運用するための基盤まで含めて整える必要があります。ここでは「Nutanix Agentic AI」という、Nutanix社がAIファクトリーのために新たに発表しているクラウド運用モデルによるAIスタックが紹介されます。
Nutanix Agentic AI フルスタック
2026年3月に実施されたNVIDIA GTC 2026の開催タイミングで、Nutanix社が新たに発表した「Nutanix Agentic AI」について改めて紹介がありました。基盤ハードウェアの上に、AIサービスとKubernetes、最適化された基盤インフラ、データ処理、そしてマルチテナント管理といった要素が、ひとつのスタックとして語られていました。
参考: Nutanix Agentic AI:次世代のインテリジェンスを大規模に展開
https://www.nutanix.com/ja/blog/nutanix-agentic-ai-scaling-next-generation-of-intelligence#
AIサービス向けカタログによる開発の加速化
開発ツール、Vector DB、ML Ops機能など厳選したオープンソース群をカタログとして提供する機能が紹介されました。これにより、企業の迅速なAIアプリケーション開発を支援するようです。
AI Gatewayによるセキュアなアクセスやガバナンスの強化
モデルの利用が拡大するにつれて、利用状況の可視化、コスト管理、ガバナンスなどが必要になります。Nutanixはエンジニアスタックの一部として、高度なゲートウェイ機能「AI Gateway」のテックプレビューを開始したと発表していました。ポリシーベースのガバナンスやアクセス制御や利用監視、コスト把握、モダンなコンテキストプロトコル対応など、企業による運用を前提にした管理機能が強調されています。
参考: Nutanix Agentic AI によるエンタープライズ AI スタックの構築
https://www.nutanix.com/ja/blog/building-enterprise-ai-stack-with-nutanix-agentic-ai#
Nutanix仮想化環境におけるパフォーマンスの最適化
コンテナ上で動作するAIアプリケーションはパフォーマンスが極めて重要ですが、Nutanixは仮想化環境においてもベアメタルに近い性能を引き出す努力をしています。AHVベースの仮想化基盤におけるパフォーマンスの強化やFlowによるトラフィックの最適化などが紹介されていました。
参考: Nutanix Agentic AI による AI ファクトリー基盤のオーケストレーションとセキュリティ強化
https://www.nutanix.com/ja/blog/orchestrating-and-securing-ai-factory-infrastructure-with-nutanix-agentic-ai#
データ基盤 /ストレージサービスの最適化
AIの価値はデータから生まれます。GPUを効率的に使用する仕組みとして、コンテキストメモリのオフロードによりGPUメモリ使用量を抑えることや、ストレージからの低遅延・高スループットなデータ供給によって、推論やデータ処理を支える方針が示されました。
参考: AI ファクトリーのデータ基盤:Nutanix Unified Storage によるエージェンティック AI の実現
https://www.nutanix.com/ja/blog/data-foundation-of-ai-factory-enabling-agentic-ai-with-nus#
Service Provider Central
Service Provider Centralは、マルチテナント環境や複数部門向けの新たなソリューションです。インフラを共有しつつ、テナント分離、セキュリティ、コンプライアンスなどを提供する機能が組み込まれるようです。また、サービスカタログ機能も搭載される予定であり、GPU as a ServiceやModel as a Service、Kubernetes as a Serviceといった提供形態まで見据えている点が特徴です。
Modernize Now with Containers(コンテナ環境のモダナイズ)
ここで語られていたのは、単にコンテナを増やすことではなく、既存環境との分断を生まない形で、アプリケーションをモダナイズしていく必要性でした。Kubernetesへの移行が進むほど、チーム、ツール、運用が分かれ、新たなサイロが生まれやすくなります。Nutanixは、それに対して「One Experience, One Team(ひとつの体験、ひとつのチーム)」という考え方を打ち出しています。
NKP Metal
今回の発表の中でも注目点のひとつが、NKP Metalです。ここで示されているのは、単なるベアメタル対応ではなく、ベアメタル、VMベースの環境、ストレージをまたいで、一貫したライフサイクル管理を提供するという考え方です。
関連して、ストレージサービスやネットワーク、セキュリティ、プラットフォームサービスやエンタープライズAI、Day0-2運用などにおいて、一貫した体験を提供するという方針を示されていました。
Run Anything Anywhere(あらゆる場所での稼働を実現)
企業にとって重要なのは、オンプレミスかクラウドかを単純に選ぶことではなく、必要に応じて実行場所や構成を選び続けられることだ、といったメッセージがここでのポイントとなります。昨今のハードウェア価格の上昇や供給制約、地政学的な環境、などの現実を踏まえ、エコシステムを拡大して選択肢を増やし、また自らインフラをコントロールできることの重要性が強調されていました。
外部ストレージ対応:Dell PowerStoreのアーリーアクセス開始
Nutanix社は昨年の.Nextで外部ストレージ対応を発表し、Dell PowerFlexやEverpure FlashArrayをサポートしてきました。これまでHCIのベンダーとして歩みを進めてきたNutanixが、自社が提供してきたSoftware-Defined-Storageだけでなく外部ストレージに対応する発表として、日本国内でも非常に注目されたアップデートでした。
そして、今回の.NextでもNutanix AHVが対応する新たな外部ストレージパートナーが発表され、会場も参加者から歓声があがりました。
まず発表されたのは、Dell社のPowerStoreの対応です。昨年秋頃にPowerStoreの対応予定が発表されておりましたが、今回アーリーアクセスの開始がアナウンスされました。今年の夏頃のGAを目指しているようです。
外部ストレージ対応:NetApp
そして今回の目玉となる発表ですが、外部ストレージ構成の新たな選択肢として「NetApp」の対応が正式にアナウンスされました。今年中のGAを目指しているようです。既存のNetAppストレージを活かしたいなどの需要に対して、Nutanixが新たな選択肢となります。
また、あわせてCisco社とNetApp社の統合ソリューションであるFlexPodアーキテクチャにおいて、Nutanix が対応する方針も今回発表されました。
外部ストレージ対応:Lenovo ThinkSystem
外部ストレージ対応として、Lenovo ThinkSystemのサーバとストレージを組み合わせた検証済み構成が今年中にGA予定との発表がされました。
このようにNutanix社は、従来のHCI構成のみにとらわれることなく、外部ストレージを利用した構成のサポートを拡大しています。
Azure Virtual Desktop on Nutanix
Azure Virtual Desktop(AVD)をオンプレミスのNutanix AHV環境上でホストできる機能が紹介されました。これは、昨年のMicrosoft Ignite 2025で発表され、注目されているソリューションのひとつです。低レイテンシや高性能が求められる仮想デスクトップ用途に対し、Microsoft社と協業してVDIをハイブリッド化する新たな選択肢を提供します。現在はプレビュー段階で、今年の夏頃のGAを目指しているようです。
また本パートで、AWSやAzure、Google Cloudも起動先のプラットフォームとして改めて紹介されました。"Run Anything Anywhere"のビジョンの通り、様々なプラットフォームで実行可能なプラットフォームとしてエコシステムを拡充しているメッセージが語られました。
そのほかにも、Opening Keynoteでは紹介しきれていない多くの新機能やソリューションがまとめられており、Day2、Day3の各セッションなどで個別に紹介されるとのことで、後日詳しい情報が公開される予定です。
まとめ
Opening Keynoteで印象的だったのは、Nutanixが個別機能を断片的に語るのではなく、企業IT全体の進み方を、ひとつの設計思想として提示していたことです。セッションにて示された3つのテーマは別々の話ではなく、相互につながったひとつの戦略として理解するとNutanix社の方針やビジョンが見えてきます。
Agentic AIの活用を拡大するにはガバナンスとデータ基盤が必要であり、コンテナ化を進めるにはVMを含めた運用統合が必要であり、実行場所の自由度を確保するには、ハードウェア、ストレージ、クラウドをまたぐ一貫した設計が必要です。Nutanixが今回示したのは、まさにその全体像でした。
【セミナー告知】
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今年は現時点で東京、大阪での開催を予定しています。以下のリンク先から申し込みが可能ですのでぜひご参加ください。
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開催日と開催地について:
- 4/24(金)東京開催
- 5/18(月)大阪開催
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著者紹介
SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 第1技術統括部 第1技術部 1課
友松 桂吾 - Keigo Tomomatsu -
Nutanix Technology Champion 2022-2026

