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【Canva 11月アップデート】AIで資料作成・動画編集・業務効率化はどう変わる?4月アップデート前に新機能9つをおさらい解説

Canva
2026.04.16

Canvaの11月アップデートでは、AIを軸にした9つの新機能が発表されました。
今回の変化は、単に「便利な機能が増えた」という話ではありません。
資料作成、動画編集、フォームによる情報収集、メールデザイン、SNS運用、ブランド管理まで、これまで別々に進めていた業務を、
ひとつの流れとしてつなげていく方向がより明確になったアップデートだと感じます。


特に印象的なのは、AIの役割が「作業を少し楽にする補助機能」から、「制作のスタート地点をつくる存在」へと変わってきていることです。
つまり今回のアップデートは、機能紹介にとどまらず、実務の変化を後押しする内容になっています。

 

今回のCanvaアップデートで見えてきた3つの変化

今回の発表内容を全体で見ると、大きく3つの流れが見えてきます。
ひとつ目は、AIがデザインの下書きやアイデア出しを担い、制作の最初の一歩を圧倒的に速くしていること。
ふたつ目は、動画・フォーム・メールといった周辺機能が強化され、デザインだけで終わらない業務フローへ広がっていること。
みっつ目は、ブランド管理やSNS改善まで含めて、チーム全体の再現性や運用効率を高めようとしていることです。

これまでCanvaは「誰でも使いやすいデザインツール」という印象が強かったかもしれませんが、
今回のアップデートを見ると、より明確に「仕事の流れそのものを支えるプラットフォーム」へ進もうとしているように見えます。
営業資料、社内説明資料、採用動画、メルマガ、SNS投稿など、
日常業務で発生する制作物をひとつの場所でつなげられるのは、実務上かなり大きな意味があります。

  • AIが「補助」から「制作の入口」へ進化
  • 資料・動画・フォーム・メールがひとつの流れでつながる
  • ブランド管理やSNS改善まで含めて業務効率化が進む

 


1. Video 2.0|動画制作をもっと速く、もっと直感的に

今回のアップデートの中でも、視覚的にわかりやすく進化したのがVideo 2.0です。
高度な機能を備えながらも、Canvaらしいシンプルさを保った動画作成機能です。
刷新されたタイムラインによって、複数トラックの編集や要素の移動、カットなどを、
これまで以上に直感的に行えるようになっています。

さらに注目したいのが、AIを活用した動画生成です。
こちらは11月アップデート時点ではまだまだ制限も多く発展途上ですが、
プロンプト入力によって、雰囲気に合った複数の動画案をすばやく作れるため、
「まず叩き台を出したい」「短時間で複数パターンを見たい」という現場と相性がよさそうです。
動画制作はどうしても工数が重くなりがちですが、最初の一歩がかなり軽くなる可能性があります。

実務で考えると、SNS広告、商品紹介、採用広報など、
短尺動画を継続的に作るチームに特に効果がありそうです。
動画編集ソフトの学習コストが高くて着手できなかった人でも、
Canvaの延長線上で試しやすいのが強みだと言えます。

  • 新しいタイムラインで複数トラック編集がしやすくなる
  • AIで動画の叩き台をすばやく生成できる
  • SNS動画・採用動画・商品紹介との相性が高い

 


2. Interactive Design|フォーム付きデザインで、資料が"集める場"になる

Interactive Designは、デザインの中にフォームを埋め込み、情報収集まで一体化できる機能です。
Webサイトやプレゼンの中にCanva Formをドラッグ&ドロップで追加し、
収集した回答をCanva Sheetsへリアルタイムで送れる仕組みとして紹介されていました。

この機能が面白いのは、資料やページが"見せるだけのもの"で終わらなくなることです。
たとえばイベント案内ページに申し込みフォームを埋め込んだり、
社内プレゼンの中にアンケートを組み込んだりすれば、
情報発信と回収を同じ文脈の中で完結できます。
外部ツールをまたがずに設計できるため、運用の手間も減らしやすくなります。

マーケティング部門なら問い合わせやリード獲得、総務部門なら社内意見箱やアンケート、
営業部門なら申し込み受付など、用途はかなり広いはずです。単なるデザイン強化ではなく、
業務導線そのものを短くするアップデートとして見ると価値がわかりやすい機能です。

  • フォームとデザインを一体化できる
  • 回答データをCanva Sheetsで管理できる
  • イベント申込・問い合わせ・社内アンケートに活用しやすい

 


3. Email Design|メルマガ作成を、もっと実務的に

Email Designは、メールマガジンやニュースレターの制作フローを整理しやすくする新機能です。
テンプレートやAI生成を活用しながら、ブランドに合ったメールデザインを作成でき、
さらにプレビュー、テスト送信、HTMLエクスポートまで可能です。

メルマガ業務は、見た目のデザインだけでなく、表示確認やテスト、
配信ツールへの受け渡しなど、細かな工程が多いのが悩みどころです。

Email Designは、その分断された流れをなるべくひとつにまとめるための機能であり、
特に、デスクトップとモバイルの両方で見え方を確認できるのは、実務ではかなりありがたいポイントです。
 
マーケティング施策として定期的に情報発信をしている企業や、
営業活動の一環としてメールコミュニケーションを重視しているチームにとって、
制作から出稿準備までのリードタイムを短縮できる機能になるのではないでしょうか。

 

  • テンプレートとAIでメールデザインを効率化
  • プレビュー・テスト送信・HTML書き出しに対応
  • メルマガ運用の工数をまとめやすい


4. Canva Design Model|AIが"使えるデザイン"をつくる時代へ

今回のアップデートを象徴する存在のひとつがCanva Design Modelです。
AIがデザインの構造やレイヤー、視覚的な階層、ブランディングを理解したうえで、
数秒で編集可能なコンテンツを生成できます。
※一部英語版のみの提供機能

ここで重要なのは、「画像を出すAI」ではなく、「後から実務で直せるデザインを出すAI」だという点です。
企画段階では、まず叩き台があるだけで思考が進みやすくなります。
ゼロからラフを起こすのではなく、AIが出した案をベースに整えることで、
作業の初速がかなり変わってきます。 

営業の提案資料、SNS投稿画像、プレゼン資料、バナー、告知クリエイティブなど、
「スピードが必要だが品質も落としたくない」仕事では特に威力を発揮しそうな機能です。

 

  • 編集できるデザインをAIが生成する
  • レイヤーやブランド要素を理解した提案ができる
  • 資料・SNS・バナー制作の初速が上がる
 


5. AI Where You Work|作業の流れを止めずに、必要な素材をその場でつくる

AI Where You Workは、作業中の文脈の中でAIを活用し、必要な素材や表現をその場で生成できる機能です。
3Dアセット、図形、アイコン、カスタムコード、背景などをシンプルな指示から作れるほか、
既存デザインに合うようにトーンを合わせる機能も用意されています。

この機能のよさは、「素材探し」と「制作」が分断されにくいことです。
資料を作っていて「ちょうどいい背景がない」「この雰囲気に合うアイコンがほしい」と思ったとき、
その場で生成して流れを止めずに進められるのは、想像以上に大きな時短になります。

特に、締切が近い案件や、まず提案用の叩き台を出したい場面では、このスピード感が効いてきます。
デザイン専任ではない人にとっても、「あと少し見栄えをよくしたい」を実現しやすくする機能だと言えます。

 

  • 背景・アイコン・3D素材をその場で生成できる
  • 作業フローを止めずに素材を補える
  • 提案資料や社内資料づくりの時短につながる

 


6. Ask Canva|AIに相談しながら、デザインを良くしていく

Ask Canvaは、制作中の画面を前提にAIへ相談できる機能です。
コメント欄で「@Canva」とタグ付けすることで、AIが作業内容を理解し、
改善提案や修正のアドバイスを返してくれます。

デザイン業務では、「なんとなくしっくりこないけれど、どこを直せばいいかわからない」という状態がよくあります。
Ask Canvaは、その曖昧な迷いを言語化し、次の一手を提示してくれる相棒のような存在です。
特に、普段からデザインを専門にしているわけではない人にとっては、判断材料が増えるだけでも大きな助けになります。

AIにすべて任せるというより、AIを壁打ち相手として使いながら、自分の制作物の精度を上げていく。
そんな使い方が最もフィットするのではないでしょうか。
完成度の底上げだけでなく、迷う時間を減らせる点でも実務メリットは大きいはずです。  

 

  • 制作途中でAIに相談できる
  • 改善案や修正案をその場で得られる
  • 非デザイナーの判断負荷を下げやすい
 

7. Canva Grow|SNS運用を"投稿作成"で終わらせない

Canva Growは、SNSコンテンツの制作から投稿後の改善までをサポートする機能です。
自社のWebサイトをスキャンしてブランドを理解し、広告や投稿コンテンツの作成に活かせ、
さらに投稿後のパフォーマンスをAIが分析し、改善提案まで行うことができます。
※一部英語版のみの提供機能

SNS運用で本当に難しいのは、投稿を作ることよりも、その結果をどう振り返り、次にどうつなげるかです。
Canva Growは、制作・配信・分析・改善という一連の流れをひとつながりにしようとしている点に価値があります。
特に少人数のチームでは、分析まで手が回らず「出して終わり」になりがちなので、この支援はかなり現実的です。

SNSを継続的に伸ばしたい企業にとっては、制作の効率化だけでなく、改善サイクルを回しやすくすることが成果に直結します。
その意味でCanva Growは、単なる投稿支援ではなく、運用支援の機能として見ると理解しやすいでしょう。

 

  • SNS投稿の作成だけでなく改善まで支援
  • ブランドに沿ったクリエイティブ制作がしやすい
  • 少人数運用の負担軽減に向く
 

8. Brand System|ブランド管理を"守る"から"自動で反映する"へ

Brand Systemでは、ブランドキットのUI刷新と機能強化が行われ、ブランド管理がより実務に寄り添ったものになっています。
ロゴをアップロードするだけでフォントやカラーを含むブランドキットを自動生成し、
AIがそのブランド要素を新しいデザインにも反映しやすくなっています。
※ブランドキット未設定の場合のみ

ブランド管理は、本来は細かいルール運用の積み重ねですが、実際には担当者や部署によってばらつきが出やすい領域でもあります。
Brand Systemの考え方は、そのルールを人力で毎回チェックするのではなく、制作環境の中に自然に組み込んでいく方向です。

複数のメンバーが資料やバナー、投稿画像を作る組織では、こうした仕組みがあるだけでアウトプットの統一感が大きく変わります。
ブランドを「守るもの」ではなく、「自然に再現されるもの」へ変えていくアップデートだと捉えるとわかりやすい機能です。

 

  • ロゴからブランドキットを自動生成できる
  • AIがブランド要素を新しいデザインに反映しやすい
  • チーム全体のトンマナ統一に役立つ

9. Meet the New Affinity|より高度な制作と日常業務の橋渡しへ

Meet the New Affinityは、Affinity製品との連携・統合です。
ベクター、ピクセル、レイアウトといった専門的な編集機能を備えたツール群をひとつの流れの中で扱いやすくし、
Canvaとの連携を強めることができます。

このアップデートが意味するのは、Canvaが「手軽なツール」にとどまらず、より高度な制作環境との接続点にもなろうとしていることです。
細かな調整や専門的な編集が必要な部分はAffinityで行い、その後の共有や展開、チームでの活用はCanvaで進める。
そうした役割分担がこれまで以上にスムーズになっていく可能性があります。

専門職のクリエイターだけでなく、制作物を社内外で活用する非デザイナー側にとっても、この橋渡しは価値があります。
高度なクリエイティブと日常運用の距離を縮めるアップデートとして見ると、その狙いが見えてきます。

 

  • 高度な編集環境との連携が強化される
  • 専門制作と共有・運用の分断を減らせる
  • クリエイティブ部門と他部門の橋渡しになりやすい
 

どの機能から試すべきか

ここまで9つの機能を見てきましたが、すべてを一気に使いこなそうとしなくても大丈夫です。
むしろ大切なのは、自分の業務に最も近い機能をひとつ選んで試してみることです。

 

業務別のおすすめスタート地点

 
どの機能も共通しているのは、「ゼロから全部つくる」負担を減らし、まずAIに最初の一歩をつくってもらう発想です。
最初の叩き台が早くできれば、人はより判断や改善に時間を使えるようになります。
今回のアップデートは、その考え方を非常にわかりやすく形にしたものだと感じます。
 

まとめ|Canvaは"AIで作る"から"AIと仕事を進める"へ

今回のCanva 11月アップデートをひとことで言うなら、AIを使った単発の効率化から、
AIと一緒に業務全体を前に進めるフェーズへ進んだ、ということではないかと思います。
資料作成、動画制作、情報収集、メール配信、SNS運用、ブランド管理までがバラバラではなく、
一連の流れとして整理され始めているのが今回の大きな変化です。
 
これからCanvaを活用するうえでは、機能をたくさん知ること以上に、
「自分の仕事のどこに入れると最も効果が出るか」を考えることが重要になりそうです。
まずはひとつ、今の業務で困っているポイントに近い機能から取り入れてみる。
そこから小さな成功体験を積み重ねていくことで、AI活用はぐっと現実的になります。

Canvaは今後ますます、「デザインツール」という枠を超えていくのかもしれません。
今回のアップデートは、その変化の途中経過としても、とても興味深い内容でした。

 

4月のアップデート内容につきましても、改めて記事で紹介いたしますので、楽しみにしていただければと思います!

著者紹介

ICT事業本部 技術本部
先端技術統括部 DXコンサルティング部 デジタルイノベーション課
前田 由委