
本記事では、Prisma Browserに追加された生成AIのプロンプト制御機能を解説します。ChatGPT、Microsoft Copilot、Google Gemini、Claudeなどの生成AIアプリ利用時におけるプロンプト (ユーザー入力) の収集・可視化や、情報漏洩対策についてご紹介します。
※2026年8月時点の情報です
はじめに
生成AIの利用が急速に拡大する一方で、企業では次のような課題が増えています。
- ChatGPTへソースコードを貼り付けてしまう
- 個人情報をAIへ入力してしまう
- ChatGPTやGeminiなど社内のAI利用状況が把握できない
- AIを全面的に禁止すると業務効率が落ちる
このような背景から、生成AIの活用を妨げることなく情報漏えいを防止するセキュリティ対策への関心が高まっています。
Prisma Browserでは新たにGenAI Prompt Controlが追加され、生成AIの利用を一律に制限するのではなく、適切に管理しながら安全に活用できるようになります。
GenAI Prompt Controlとは
従来は「ChatGPTをブロックする」というようなアプリ単位の制御が一般的でした。しかし、実際に情報漏えいの観点で問題となるのはAIへ送信されるデータです。
Prisma BrowserのGenAI Prompt Controlでは、プロンプトそのものを収集・可視化・制御できるようになりました。つまり「AIは利用できるが、機密情報は送信禁止」といった細かな制御が可能になります。
GenAI Prompt Controlでできること
プロンプトの収集・検索
管理者は、ユーザーが入力したプロンプトやAIへ送信した内容をイベントとして保存できます。これらはイベントログ内で確認することができます。
イベントログからプロンプトの検索も可能です。
プロンプト送信の許可・ブロック
AIアプリへのプロンプトの送信に対して「許可・ブロック」の設定ができます。ブロックの場合は、プロンプトがAIへ送信される前にブラウザ側で停止するため、AIアプリまでデータが届かない仕組みです。
ログ設定にてプロンプトの収集を有効にすることで、先述したプロンプトの可視化が可能になります。
DLPによるコンテンツ検査
コンテンツ検査を適用し、プロンプトが機密情報を含む場合のみブロックすることができます。通常のチャットは送信できる一方で、プロンプト内に個人情報やクレジットカード番号、社内コードなど機密度の高い情報がある場合だけブロックします。
例として、ChatGPTへのクレジットカード番号の送信をブロックするポリシーを設定します。
事前定義済みのデータプロファイルを使用することもできますが、今回はクレジットカード番号のみを検出するためのカスタムのデータプロファイルを作成します。
Prisma Browserのアクセスポリシーにて、作成したデータプロファイルを選択します。
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GenAI Prompt ControlでBlockを選択し、ログ設定にてプロンプトの収集を有効にします。
機密情報を含まない場合は問題なく送信できますが、クレジット番号のサンプルデータを送信するとプロンプトがブロックされました。
イベントログからプロンプトを確認することができます。
テナント単位の制御
テナント制御と併せて利用することで、企業利用と個人利用を区別したデータ制御を実現できます。
例えば、「会社のChatGPT Enterpriseは許可、個人のChatGPTはブロック」としたうえで、「会社のChatGPT Enterpriseではプロンプトを可視化し、機密情報をブロック」という制御も可能になります。
Typing Guardとの違い
Prisma Browserには、Typing Guardという入力保護機能がすでに実装されています。GenAI Prompt ControlではTyping Guardと同様の入力制御が可能ですが、以下のような違いがあります。
Typing Guardは、機密データをマスクしたうえでAIアプリケーションへプロンプトを送信します。AIプロバイダーには、機密データが削除されたプロンプトのみが送信されます。DOMレベルで動作するため、AIアプリケーションによっては入力を確実に検知できない場合があります。
一方、GenAI Prompt Controlはプロンプトの送信を完全に阻止するので、AIプロバイダーにはプロンプトの内容が一切送信されない仕組みになっています。GenAI Prompt Controlはブラウザ上の複数レイヤーにおいて制御を適用するため、データ送信を完全に防止する必要がある場合に適しています。
対応サービス
記事執筆時点で、GenAI Prompt Controlは以下のサービスに対応しています。
- ChatGPT
- Microsoft Copilot
- Google Gemini
- Claude
- Perplexity
Microsoft 365アプリに組み込まれたMicrosoft Copilotや、Google Workspaceアプリに組み込まれたGeminiなど、ビジネスツールに組み込まれたAIウィジェットもサポートしています。
主な利用シーン
部門や業種を問わず、生成AIを安全に活用するための仕組みとして利用できます。
- 開発部門: ソースコードや設計書などの漏えい防止
- 営業部門: 顧客情報などの機密情報の送信防止
- 人事部門: 従業員情報などの個人情報の送信防止
- 医療/金融: 法令や業界ガイドラインに配慮した生成AIの活用
まとめ
GenAI Prompt Controlは、生成AIへのアクセスを制限するのではなく、プロンプトを適切に管理することで安全な生成AI活用を実現する機能です。プロンプトの可視化や送信制御、DLPによるコンテンツ検査を組み合わせることで、情報漏えい対策と利便性の両立を支援します。生成AIの業務利用が広がる中、企業のAIガバナンスを強化する機能として活用が期待されます。
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著者紹介
SB C&S株式会社
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