
みなさんこんにちは。SB C&S 市島です。
本ブログ記事では、2026年9月にOmnissaが開催した「Omnissa ONE 2026 Orlando」で発表された内容をお届けします。
前編では、Amit Singh氏がKeynoteで示したメッセージと、新製品ファミリー「Omnissa Elara」をご紹介しました。
【前編の記事はこちらから】
後編では、HorizonとWorkspace ONEを中心に、AI Agentが働く環境と、その環境を管理するためのアップデートをご紹介します。
※可能な限り正確な情報を掲載するよう努めていますが、イベント発表直後の内容を含むため、後日の修正が必要となることや、情報が古くなることで正確性を保てなくなる可能性もあります。必ずしも情報の正確性を保証するものではない事をあらかじめご了承ください。
Horizon Delegate ― AI Agentが働く仮想デスクトップ
今回のOmnissa ONEで発表された特徴的なアップデートの1つとしてまずご紹介するのが、Horizonの仮想デスクトップ内でAI Agentに作業を依頼できる「Horizon Delegate」です。"Delegate"は、代理人・委任するといった意味の単語です。
Horizonは通常、Horizon Clientやブラウザを使用しOSのデスクトップ画面を開いてマウスやキーボードで操作をしますが、Horizon Delegateは、新しい操作方法が追加されAIによるチャットUIから仮想デスクトップに対して作業を依頼できるようになります。


クライアントから送信したプロンプトはHorizon Delegate Agentへ渡され、Horizon Agent SDKを介してAI Agent/LLMと連携します。初期提供ではGitHub Copilotが対応予定です。AIが操作を判断し、その操作は仮想デスクトップ内で実行されます。
このようにOmnissa自身がLLMを提供するのではなく、Horizon Delegateという実行フレームワークとAgentを提供し、外部のAI Agent/LLMと組み合わせ、AI Agentが仮想デスクトップにインストールされた企業アプリケーションを操作するための実行環境を提供する考え方の機能です。

Keynoteでは、売上データから上位顧客を調べるよう仮想デスクトップに対して依頼する操作が紹介されました。PCを閉じた後も処理が続き、スマートフォンから結果を確認するデモが行われました。ユーザーがクライアントPCを閉じて仮想デスクトップとの接続を切断しても、データセンターの仮想デスクトップ上ではAI Agentが作業を継続します。
また、AI Agentは仮想デスクトップ環境に対してユーザーの資格情報と権限で動作します。既存のアプリケーション環境を利用でき、専用のAI向けAPIやSDKを持たないレガシー業務アプリを扱うユースケースが紹介されました。
このようにHorizon Delegateは、Horizon Desktopを「人が操作する仮想デスクトップ環境」から「AI Agentに仕事を委任できる企業管理下の実行環境」へ拡張する新たな機能です。VDIが「デスクトップ画面を操作する場所」から「作業を依頼し、実行される場所」へ変化する発表だと感じました。
Horizon DelegateはHorizon 2609でLimited Availabilityとなる予定です。
Horizon マルチプラットフォーム対応を拡大
昨年にHorizonのNutanix AHV対応などが発表され大きな話題となりましたが、今回も対応プラットフォームの拡大が発表されました。顧客が選択する仮想化基盤が多様化する中、対応プラットフォームを拡張する方針を継続し開発を進めていることが感じ取れます。

| 新しく対応予定のプラットフォーム | 対象製品 | 発表時の提供状況・予定 |
|---|---|---|
| Red Hat OpenShift Virtualization | Horizon 8 | Limited Availability予定:Q4(11月~1月) |
| HPE VM Essentials(Morpheus Software) | Horizon 8 | Beta予定:Q3(8月~10月) |
| Microsoft Hyper-V ※SCVMMを利用した管理・プロビジョニング連携の拡張 |
Horizon 8 | Beta予定:Q3(8月~10月) |
| Google Distributed Cloud | Horizon 8 | Beta予定:Q3(8月~10月) |
また、クラウドサービスで管理コンソールを提供するHorizon Cloudも対応プラットフォームを広げる方針が発表されています。OpenStackはLimited Availability、Google Cloud PlatformはBeta、Nutanix AHVはLimited Availabilityとなり、今後さらに提供範囲を拡大するロードマップが示されました。
Omnissa Monitorのリリース
昨年のOmnissa ONEで発表された、オンプレミスのHorizon 8環境を監視する「Omnissa Monitor」もリリースされました。

※Introducing Omnissa Monitor for Horizon 8 on-premisesの記事より画像を抜粋
Horizon環境のモニタリングといえば、以前はAria Operations Management Pack for Horizon (MP4H)を使ったモニタリングが一般的でしたが、昨年にサポート終了が発表されMP4Hを活用されてきたお客様はモニタリングツールの切り替えが必要になっています。
今回発表されたOmnissa Monitorは、Connection ServerやUAG、Horizonセッション、vSphere基盤の状態に加え、ログオン時間や遅延などのユーザー体験を1つのコンソールから確認できるソリューションとして発表されています。クラウドへ監視データを送信できないHorizon 8ユーザーにとって、注目したいアップデートです。
Omnissa Cloud PC
次にご紹介するのが「Omnissa Cloud PC」です。今回のOmnissa ONEのKeynoteセッションでも大きく取り上げられた新サービスです。このサービスは、Horizonのデスクトップに、Workspace ONEによる管理、セキュリティ、DEXを組み合わせ、Omnissaが提供するマネージド型のデスクトップサービスです。

注目点は、コンピュートを含む固定価格モデルと、Omnissa Connectからの一元管理です。従来のHorizon Cloudでは顧客がキャパシティ(クラウドインフラ基盤)を用意する構成に対し、OmnissaからCloud PCそのものを購入する選択肢が提供されます。
セッションでは、Horizonの管理画面を別途操作するのではなく、Omnissa ConnectのコンソールからCloud PCを作成・管理するデモが紹介されました。インフラとコントロールプレーンの運用はOmnissaが担い、管理者は利用者へ提供するWindows環境の設定に集中できるソリューションとして提供されます。
※将来的には顧客が用意したAWSキャパシティを利用する選択肢も計画されていると発表されています。

初期提供はAWSのプラットフォームを利用したサービスとして提供され、ほかのクラウドへの拡張は今後計画されているとのことです。提供開始は2027年初頭予定とされています。
物理PCの展開・復旧を支援する2Pintとのパートナーシップ
物理PCについては、2Pint Softwareとの販売パートナーシップも発表されました。
2Pintは、Workspace ONE UEM単体では提供していないベアメタルイメージングの機能を補完する役割として提供されます。OSのない端末へOSを展開し、UEMへ登録できる状態にするほか、障害やランサムウェアの影響を受けた端末の遠隔消去・再構築を支援します。

日常の端末管理だけでなく、その前後にある初期展開と復旧まで対応範囲を広げる位置付けです。今回の発表時点でLimited Availabilityとなり、Omnissaから直接購入が可能となることが発表されています。(日本での提供については本記事執筆時点では未確認です。)
DEX at the Edge ― エンドポイント側でリアルタイムに検知・修復
DEXの強化領域として紹介されたのが、DEX at the Edgeです。
従来のクラウドベースのFreestyleでは、イベントをクラウド側で処理して端末へアクションを返すため通信のラウンドトリップタイムが発生します。Real-time remediation at the edgeでは、イベント検知と処理を端末側へ配置することで、より即時性の高い修復を可能にします。
Keynoteでは、DEXの強化領域として「DEX for all」「DEX at the Edge」「DEX supercharged with AI」の3つが紹介されました。
そのDEX at the Edgeを具体化する機能の1つが、「Real-time remediation at the edge」です。Freestyleのワークフローをエンドポイント側で実行し、OSレベルのイベントをトリガーとして、クラウドとの同期を待たずに修復処理を実行します。

これにより、ネットワーク接続が不安定な環境や、即時対応が求められる障害・セキュリティイベントでも、端末側で素早くアクションできるようになります。DEXのセッションでも、AI時代には問題や脅威への対応速度がより重要になるとして、高速かつ端末側で実行できる修復機能の必要性が説明されていました。
Real-time remediation at the edgeはBetaとして発表されており、今後のAutonomous Endpoint Managementを支える基盤機能の1つとして注目したいアップデートです。
Omnissa MCP Server ― AI AgentとOmnissa製品をつなぐ
ここからは、IT管理者の業務を支援する発表をご紹介します。
「Omnissa MCP Server」は、MCP(Model Context Protocol)対応のAIクライアントから、Omnissa製品の情報や操作機能を利用するための共通窓口機能です。

Omnissa MCP Server自体は2026年9月15日にGAしており、Workspace ONE UEM、Omnissa Horizon、Omnissa Intelligence、Omnissa Access、Workspace ONE Hub Servicesに対応します。管理者はClaudeなどの対応しているAIクライアントを用いて、これらのサービスの情報へのアクセスと対応する操作やワークフローをAI Agentから実行できます。
Keynoteでのデモでは、Claudeに非準拠デバイスの調査を依頼し、Omnissa IntelligenceとWorkspace ONE UEMの情報から原因となるアプリケーションを特定して、更新の展開まで進める様子が紹介されました。また、HorizonとAccessの情報を横断して、仮想デスクトップへ接続できない原因を調査するデモも行われていました。
IT運用を支援するOmnissaのAI Agent
前述の外部AIサービスを接続するMCP Serverに加え、Omnissa自身が提供する独自のAI Agentも紹介されました。
DEX Agent
Digital Employee Experience(DEX)の領域では、新たにDEX AgentがBetaとして発表されました。
DEX Agentは、ユーザーが利用するデバイスやHorizon環境で検知された問題について調査し、原因分析から修復、さらに問題が解消したことの確認までを一連の流れで支援するAI Agentです。

Keynoteでは、Horizonでログオン時間が悪化した事象に対して、DNS、GPO、プロファイル、App Volumesなどログオンに関係する情報を横断して調査し、原因候補を特定するデモが紹介されました。
原因を特定すると、DEX Agentは既存のPlaybookから修復方法を提案し、管理者の承認後に修復を実行します。ここで特徴的なのは、処理を実行して終わりではなく、その後も状態を監視し、ログオン時間が正常な状態へ戻ったことを確認してから調査を完了する点です。
Workspace ONE Vulnerability Defense Agent
Workspace ONE Vulnerability Defense Agentは、Workspace ONE Vulnerability Defenseが収集する脆弱性情報をもとに、対応すべき脆弱性の優先順位付けから修復までを支援するAI Agentです。
前提として、Workspace ONE Vulnerability Defense本体は2026年9月、Omnissa ONEの直前にGAされました。Workspace ONE UEMのデバイス・アプリケーション情報とCrowdStrikeの脆弱性評価情報を組み合わせ、影響を受ける端末の特定や修復を行う機能です。
今回発表されたVulnerability Defense Agentは、その脆弱性対応プロセスをさらに自律化する位置付けです。KeynoteではBetaとして紹介されました。
Keynoteのデモでは、Agentが脆弱性を継続的に評価し、CVSSの深刻度、実際の悪用有無、CrowdStrikeによる今後30日以内の悪用可能性、影響を受けるデバイス数の4つの要素から優先順位を判断していました。

※Vulnerability Defense Agentによって、Palo Alto Networks GlobalProtectの脆弱性の影響を受ける端末を特定し、修正版の展開から修復結果の確認までを支援
Windows App Lifecycle agent(App Packaging Agent)
Windows App Lifecycle agentは、Windowsアプリケーションの新しいバージョンを検出し、App Volumesを利用したパッケージ作成、テスト、配布までのライフサイクルを支援するAI Agentです。App Volumes 2609でBeta提供予定と発表されています。
従来Windowsアプリケーションのパッケージングには、サイレントインストールの方法や依存関係、競合、動作確認など、対象アプリケーションに関する知識とパッケージング作業の経験が必要です。さらに、新しいバージョンが出るたびに同様の確認やテストが発生します。
Windows App Lifecycle agentは、こうした作業をAI Agentで支援する機能です。Keynoteでは、新しいアプリケーションバージョンを検出し、管理者の承認後にApp Volumesでパッケージを作成、テスト、検証するデモが紹介されました。信頼済みアプリケーションでは、検出からパッケージ作成、テスト、公開までを自動化する構想も示されています。

※Windows App Lifecycle agentのデモ画面。新しいアプリケーションバージョンを検出し、App Volumesを利用したパッケージ作成、テスト、公開を支援。
Omnissa ONE 2027 USの開催予定
最後に、製品アップデートとは異なりますが、Omnissa ONE 2026 Orlandoの最終日のセッションで来年のOmnissa ONE USの開催日と場所が発表されました。
開催日は2027年8月30日~9月1日とのことで、2026年の9月末開催から1か月ほど早い時期になっています。また、場所はカリフォルニア州サンディエゴとのことです。

1年後、Elaraはもちろん各製品群がどのようにアップデートされていくのか非常に楽しみですね。皆様、2027年8月末をぜひ「Save the Date!」でお願いします。
おわりに
前編・後編にわたり、Omnissa ONE 2026 Orlandoの主要な発表をご紹介しました。
今回の発表では、Horizon、Workspace ONE、Omnissa Elaraのそれぞれが、AI Agent時代に向けて役割を広げていく方向性が示されました。
Horizonは、対応するインフラの選択肢をさらに広げながら、人だけでなくAI Agentも安全に業務を行うためのAI-ready Workspaceへと進化しています。Workspace ONEでは、従来の端末管理に加えて、DEXやセキュリティ、AI Agentによる調査・分析・修復を組み合わせたAutonomous Endpoint Managementの実現に向けたアップデートが数多く発表されました。
そして新たに加わったOmnissa Elaraは、人、AI Agent、自動化処理の行動を複数のシステムにまたがって可視化し、実行の可否や影響範囲を判断・統制するAuthority Layerとして位置付けられています。
今回のOmnissa ONE 2026 Orlandoの発表を通じて、Omnissaが単に既存製品へAI機能を追加しているのではなく、AI Agentが企業内で実際に業務を行うことを前提に、実行環境、エンドポイント管理、ガバナンスを一つのOmnissa Platformとして整備しようとしていることが感じ取れます。

今回のさまざまな発表を実際に目にして、私としては、Elaraという新しい製品が加わったことへの期待はもちろんですが、HorizonやWorkspace ONEも、これまでのVDIやUEMという枠を超えて役割を広げようとしていることにも注目しています。今後、それぞれの製品がどのようにアップデートされ、連携を深めながらOmnissa Platformとして進化していくのか、これからの展開がより一層楽しみになりました。
本ブログ記事でのイベントレポートは以上です。
イベントレポートは以上となりますが、日本では2026年11月13日に「Omnissa ONE Tokyo 2026」が開催されます。本ブログ記事でご紹介した各種製品アップデートなど、Omnissaの進化を実際にその目で確認できる機会です。ぜひ皆様、公式サイトから参加をご検討ください。
Omnissa ONE Tokyo
日 時: 2026 年 11 月 13 日(金) 10:00 - 19:00
会 場: ANA インターコンチネンタル ホテル東京
参加費: 無料 (事前登録制)
申し込みURL:https://omnissa-one.jp/
当社招待コード:s110
SB C&SエンジニアによるOmnissa技術情報ブログはこちら
著者紹介
SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 第1技術統括部
第1技術部
市島 拓弥 - Takuya Ichijima -
