※当記事は2020年時点の情報を元に作成したものです。
最新の VxRail に関するご紹介は、2023年版をご覧下さい。
Dell Technologies の VxRail とは? ~ 2023年版 ~
はじめに
こんにちは、SB C&Sの友松です。この記事では、Dell EMC社のHCIアプライアンスである「Dell EMC VxRail」(以下、VxRail)について紹介します。
VxRailは、Dell EMC社とVMware社が共同開発したHCI(ハイパーコンバージドインフラ)製品です。そのため、HCIを実現するSoftware-Defined-Storage(SDS)には、VMware社のvSANが採用されています。今回はいくつかのトピックに注目して、このVxRailを紹介したいと思います。
HCI(ハイパーコンバージドインフラ)についてはこちらを参照ください。
※この記事は2020年2月時点に作成した記事であるため、その後の製品アップデートによる仕様変更などについては最新のメーカードキュメント等をご確認ください。
ソフトウェア/SDS機能の特徴
VxRailはVMware社が直接開発に関わった製品であるため、VMware製品の機能がそのまま使われています。一般的なHCIのSDSでは、ストレージコントローラーの役割を果たす仮想マシン(仮想ストレージアプライアンス )が提供されており、それをハイパーバイザ上にデプロイして共有ストレージを作成しています。それに対して、VxRailではVMware社が提供している「vSAN」と呼ばれるSDS機能を採用しています。これは、ESXiのカーネルに標準で組み込まれたモジュールで実現されるものであり、追加のアプライアンスを必要としないものです。
VxRail Managerとは
VxRailでは「VxRail Manager」というクラスターのデプロイ・アップグレード・監視・保守などを実施できる管理ツールが提供されています。一般的なサーバでvSANを構築する場合は、vSphere ClientからクラスターのvSANを有効化して、ディスクグループを作成して、といった作業を実施しますが、VxRailでは、それらの構築作業や、ノードの追加、アップグレードなどをVxRail ManagerのUIから簡単に行うことができます。
VxRail ManagerのUIの画面
また、VxRailのバージョン4.7以降では管理UIを統合するために、「VxRail Manager Plugin for VMware vCenter」というプラグインが提供されています。このプラグインをvCenter Serverへ導入することによって、VxRail Managerで実施できる管理操作をvSphere Clientから透過的に実行できます。
プラグインを導入したvSphere Clientの画面
製品ラインアップ
VxRailの筐体は、Dell EMC社のPowerEdgeをベースとしており、現行ではE・P・V・S・Gの5種類のモデルが提供されています。それぞれのアルファベットには以下のような意味があります。
E:ロープロファイルシステム
P:パフォーマンス最適化システム
V:VDI最適化システム
S:大容量システム
G:コンピュート集約システム
それぞれの特徴については以下の表にまとめていますので、参考にしてみてください。
ソフトウェアパッケージ
VxRailアプライアンスにはVMware社製品とDell EMC社独自のソフトウェアがバンドルされており、VxRailを購入すると以下のようなソフトウェアが含まれます。仮想環境やHCIを作成するためのVxRail Managerに加えて、サポートツールであるSRSが提供されています。また、データ保護のためにvSphere ReplicationやRecoveryPoint for VMsなども付属されています。
ソフトウェアアップグレード
VxRailでは、ライフサイクルマネジメントをシンプルに行うために、アップデートソフトウェアは単一のパッケージとして提供されています。Dell EMCとVMwareの協力体制により、BIOS、ファームウェア、ハイパーバイザーといったソフトウェアのパッケージが、メーカーで事前検証されたうえで提供されます。これにより、各コンポーネントの互換性の確認やソフトウェアごとの動作確認、バージョン管理などにかかる工数削減が可能になります。
運用・保守サポート
VxRailでは、サポート窓口が一本化されており、ハード/ソフト両方のサポートを受けることが可能です。VxRailチームとVMwareチームは連携しているので、仮にVMware製品のソフトウェアによる、障害、トラブルがあった場合でもVxRailのサポート担当がVMwareチームと連動して対応してくれます。また、ProSupportやProSupport Plusといったメニューがあり、VxRailではソフトウェアのアップデートをDell EMCのサポート担当者がリモートで実施するというサービスも提供されています。サポートレベルによって、サポート範囲や内容が異なりますので、詳細はメーカードキュメント等を確認ください。
まとめ
今回は、VxRailについていくつかトピックを分けて紹介しました。VxRailはHCIのSDSとしてvSANを採用していることや、製品モデル、ソフトウェア群などを確認いただけたかと思います。また、VMware Cloud Foundation on VxRailといったサービスも開始しており、VMwareとDell EMCの連携強化もみて取ることができ、VxRailは今後も注目の製品です。
参考リンク紹介
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著者紹介
SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部 第1技術部 3課
友松 桂吾 - Keigo Tomomatsu -
DC運用や留学などの経験を経て2019年にSB C&S入社。好きなことは料理とお酒。嫌いなことは睡眠不足。