こんにちは。SB C&Sの湯村と申します。
Dell TechnologiesのHCI製品であるVxRailのプリセールスエンジニアを担当しています。
今回は、2021年7月末にリリースされた最新世代のVxRailシリーズについてご紹介します。
「そもそもVxRailについてよく知らない...」という方は、こちらの記事をご覧ください。現在まで販売されているモデルの紹介も記載されています。
ご紹介する内容は以下の情報になります。
- VxRail最新シリーズ紹介
- 何が変わったのか?
VxRail 最新シリーズ紹介
VxRailシリーズはこれまで、E・G・P・V・D・Sの6種類のモデルが販売されていますが、2021年7月末に最新世代のVxRailシリーズの一部が販売開始となりました。
VxRailはDell Technologiesのサーバー製品であるPowerEdgeをベースにしており、最新世代となるPowerEdge 15Gがリリースされたことを受け、VxRailもその波に乗った形となります。
今回販売された最新モデルは、E・P・Vの3種類になります。(※2021年9月現在)
Eシリーズ:E660H/F(ハイブリッド/オールフラッシュ)
Pシリーズ:P670F(オールフラッシュのみ)
Vシリーズ:V670F(オールフラッシュのみ)
図1. VxRail 最新シリーズ
何が変わったのか?
最新シリーズは旧シリーズと比べて何が変わったのかについてご紹介します。
旧シリーズからの主な変更点は以下の通りです。
① さらに高速に!
- 最新の第3世代 インテルXeon スケーラブルプロセッサ(Ice Lake)に対応することで、より多いコア数のCPUを搭載できるようになりました。現在、最大40コアのCPUを搭載可能です。
- PCIe Gen4が採用されたことで、従来のPCIe Gen3と比べてデータ帯域幅が2倍増加しました。
- 次世代インテルOptane パーシステントメモリを搭載することができるようなり、搭載した場合は帯域幅が32%増加します。
② さらに大容量に!
- 最大4TBのメモリを搭載可能です。次世代インテルOptane パーシステントメモリの場合は最大8TBまで搭載可能です。旧シリーズと比べ33%(Optaneの場合は166%)増加しています。
- Pシリーズではディスクスロットが4本増加し、キャパシティドライブ容量が最大184TBまで搭載可能になっています。(※前面、背面のドライブサイズは全て2.5インチです)
図2. P670F ディスクスロット数(スロット20~23はキャッシュ)
③ さらにディスクグループの構成が柔軟に!
旧シリーズでは、設定できるディスクグループの数が予め決められていましたが、最新シリーズでは一部シリーズでディスクグループの数をセットアップ時に選択できるようになりました。
以下、Eシリーズを例に詳しく見ていきましょう。
旧シリーズであるE560では、設定できるディスクグループの数が2つと決まっておりました。そのため、図3のようにディスクグループを1つしか使用しない場合は、空きスロットが半分以上存在してしまうため、キャパシティドライブを効果的に使うことができませんでした。
図3. 左:E560 ディスクグループ1つの場合(スロット9はキャッシュ)
右:E560 ディスクグループ2つの場合(スロット8,9はキャッシュ)
最新シリーズであるE660では、セットアップ時に設定できるディスクグループの数を1つまたは2つのどちらかから選択できるようになりました。
図4のように、ディスクグループの数を2つにした場合は旧シリーズと変わらず、ディスクグループ1つあたりのキャパシティドライブは4本となります。
ディスクグループの数を1つにした場合、ディスクグループ1つあたりキャパシティドライブをvSANの最大構成と同じ7本まで搭載できるようになりました。これによって、ディスクグループの最大数を1つに設定した場合でも、キャパシティドライブを効果的に使用できるようになりました。
VxRailはvSANのアーキテクチャが採用されていますが、これまでのシリーズは、vSANのように「キャッシュドライブ1本あたりキャパシティドライブ5本以上」のようなディスクグループ構成ができませんでした。
一方で、最新シリーズのVxRailでは本来のvSANの仕様に近い、柔軟な構成ができるようになっています。
図4. 左:E660 ディスクグループ1つの場合(スロット9はキャッシュ)
右:E660 ディスクグループ2つの場合(スロット8,9はキャッシュ)
まとめ
いかがでしたしょうか。
今回は、最新のVxRailラインナップについてご紹介させていただきました。
従来からの特徴であるシンプルな管理や機能だけでなく、性能についてもさらに向上しつづけるVxRailの勢いはとどまるところを知りません。これからもハードウェアだけでなくソフトウェアもアップデートが行われ、ますますお客様の実際の運用目線に沿った製品に変化していくことが想定されますが、このアップデートもVxRailは簡単に実行できます。
(※ソフトウェアアップグレードの自動化についてはこちらの記事をご参照ください。)
このような総合的に優れた特徴を持つVxRailについて、興味を持っていただけたら嬉しいです。
これからも最新情報がリリースされましたらブログ記事に記載していく予定ですので、今後ともよろしくお願いいたします。
参考リンク紹介
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著者紹介
SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部 第1技術部 2課
湯村 成一 - Seiichi Yumura -
Dell Technologies社製品のプリセールス業務を行うエンジニア。
主にVxRail・Azure Stack HCIといったHCI製品を担当している。