こんにちは。SB C&S 中原です。
CohesityはNASだけではなくバックアップやクラウド連携の機能も有しています。「機能が多い=操作が複雑」というイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれませんが、Cohesityの利用は実はとてもかんたんです。 今回から「かんたんCohesity」と題してCohesityの機能を連載でご紹介します。
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第1回 Cohesityの「買い方」
第2回 Cohesityはセットアップも「かんたん」
第3回 NASとして使うCohesity
第4回 バックアップサーバーとして使うCohesity
第5回 Cohesityによるバックアップの"活用"
第6回 Cohesityならアプリケーション導入も「かんたん」
番外編 Cohesityの裏側を知ろう
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※上記連載を予定していますが、変更・追加の可能性がありますこと予めご了承ください。
今回は第1回です。
まずは「Cohesityの筐体がどうなっているか?」「Cohesityをどう買うか?」をご覧頂きたいと思います。
Cohesityの買い方
Cohesityの導入を検討する場合には、以下をそれぞれ選んで頂くことになります。 「モノとサブスクリプションを選ぶ」とお考え頂くと分かりやすいかと思います。
物理版と仮想版
はじめにCohesityの提供形態は複数あり、大まかには以下のようになっています。 下図のなかで緑の枠で記載したものが「物理版」、青の枠で記載したものが「仮想版」です。
物理版、仮想版についてそれぞれご説明いたします。
■物理版 (物理アプライアンス版)
C5000シリーズ、C6000シリーズ、CX8000シリーズがこれに該当します。さらにCohesityの認証を受けたモデルであればHPEやCisco、Dellなどのサーバーを選択することも可能です(認証済みハードウェア)。
当初、物理版はHDDとFlash(SSD)のハイブリッドモデルのみの提供でしたが、現在はオールフラッシュモデルも提供されています。
なお、物理アプライアンス版は複数ノードをクラスタリングさせて利用します。 クラスタ構成に必要なノード数は最低3台です。 (ノード数の上限はありません。) 例外として認証済みハードウェアのうち「ROBOノード」と呼ばれるものであれば1ノードで利用することも可能です。ただしこちらは冗長性がないため、あくまでリモートオフィス・ブランチオフィス(ROBO) やEdgeコンピューティングでの利用、ならびに他のCohesityクラスタへデータをレプリケーションすることが前提です。
また、基本的にCohesity物理アプライアンス版はコンピュートとストレージが一体になったモデルですが、クラスタの処理能力を向上させたい場合にはコンピュートノードを追加することも可能です。(メーカー資料ではコンピュートノードが"Compute Only"と呼称されている場合があります。)
■仮想版 (仮想アプライアンス版)
仮想版としては「Virtual Edition」と「Cloud Edition」があります。
「Virtual Edition」はCohesityを仮想マシンとして動かします。
ただしあくまで仮想マシンですから、データセンターで大量のデータを捌くというよりもEdge / ROBOでの利用に向いています。データセンターに物理版のCohesityを置いておいて、ROBOでCohesity仮想アプライアンスが吸い上げたデータをレプリケーションするようなイメージです。
「Cloud Edition」はパブリッククラウド上でCohesityを利用します。保護対象のワークロードがパブリッククラウドに集中しているような場合はCloud Editionの利用が効率的かもしれません。そのほか、物理版CohesityあるいはVirtual Editionからレプリケーションさせるようなユースケースも考えられます。
注目のC5000シリーズ
容量やセットアップの手軽さなどを考慮しますと、Cohesity導入の第一歩としてC5000シリーズを検討するケースが多いのではないかと思います。 ここでC5000筐体の外観を見てみましょう。 C5000シリーズは2Uのシャーシに最大4ノードを搭載した"2U4ノード"型のモデルです。 下図の通り前面にHDDが格納され、背面には最大4台のノードと2つの電源・ファンが格納されています。
さらにノード単体を詳しく見てみましょう。
1ノードにつき1つのSSDが搭載されています。またNetwork Interfaceは購入時に選択する必要があります。 選択肢としてはRJ45やSFP+、QSFP28をはじめ様々あります。 仕様がメーカーから公開されていますので、こちらの" On-board network connectivity"も併せてご参照ください。
サブスクリプション
Cohesityではその利用目的に応じてサブスクリプション形式のライセンスを購入します。ここからは主なCohesityのサブスクリプションをいくつかご紹介いたします。
■SmartFiles
Cohesityをファイルサーバー(NFS, SMB, S3)/バックアップターゲットとして利用したい場合にはSmartFilesを購入します。 また本サブスクリプションには無制限のCloudArchiveも含まれています。(CloudArchiveについてはこちらをご参照ください。)
■DataProtect
Cohesityをバックアップサーバーとして利用したい場合にはDataProtectが必要です。 他社バックアップソフトウェアには保護対象のマシン台数やアプリケーション等に応じて細かくライセンスを買い揃えなければいけないものがありますが、Cohesityでは単純に容量のみで必要なサブスクリプションが決まります。 保護対象のマシン台数やワークロード種別などをカウントする必要のないシンプルな体系になっています。 保護対象のシステム構成が変わっても柔軟に対応できそうですね。 なおこちらのサブスクリプションには無制限のCloudArchive / CloudSpinが含まれています。
今回はサブスクリプションの一部を紹介いたしましたが、上記のもの以外にもサブスクリプションが用意されています。 各サブスクリプションでどの機能が利用できるかについてはCohesity "Scope of License Terms"で確認可能ですので、詳細についてはこちらをご確認ください。
なお、基本的にサブスクリプションはTB単位で購入します。 サブスクリプション見積もり時にはハードウェアの物理容量の50%以上になるようにします。例えばC5026を4ノード購入する場合を考えてみましょう。 Cohesityのファイルサービス(SmartFiles)を利用して20TBのデータを格納、さらにバックアップ(DataProtect)で30TB分のデータを格納したいという要件があったとします。
サブスクリプションについては、SmartFilesが20TB、DataProtectが30TBでサブスクリプション合計は50TBです。 次に物理容量を確認します。C5026は1ノードあたりの物理容量が24TBですから、4ノードでクラスタリングしたときの物理容量合計は96TBで、その50%は48TBです。 50TB(サブスクリプション合計) > 48TB(物理容量の50%)ですので、この例はサブスクリプション見積もりのルールをクリアしているということになります。
今回はCohesityの買い方として「モノ」と「サブスクリプション」をご紹介しました。 次回からCohesityの操作画面を交えて様々な機能をご紹介していきます。 ご覧頂けますと幸いです。
※ サービスや製品の仕様ならびに動作に関しては、
※ ハードウェアモデルならびにサブスクリプションに関する記載を更新しました。(2021/12)
※ 本記事は2021年12月時点の情報に基づいて作成しています。 その後のアップデートによる仕様変更等についてはメーカードキュメントをご参照ください。
Cohesity社ウェブサイト: https://www.cohesity.com/ja/
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著者紹介
SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 第1技術部 4課
中原 佳澄