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C&S ENGINEER VOICE

ONTAP S3を用いたFabricPoolの設定

ストレージ / HCI
2021.02.19
 
みなさん、こんにちは
SB C&S 技術担当の小川です。
 
先日公開したブログでONTAP 9.8におけるFabricPoolのアップデート情報を紹介しました。
 
 
今回はそのブログでも紹介した「ONTAP S3をCloud Tierとして用いたFabricPool」について設定方法を紹介します。
 
 ONTAP S3を使用する際のネットワーク構成             
 
パブリッククラウドのオブジェクトストレージやStorage GRIDを用いたFabricPool環境ではLocal TierとなるONTAPクラスタ環境にInterCluster LIFを構成しオブジェクトストレージと通信を行います。詳細は以下のブログを参照して下さい。
 
 
ONTAP S3を用いる場合も同様の構成が可能です。この構成は別々のクラスタ間のFabricPool構成となるため、本ブログでは以降「リモートクラスタ階層」と呼びます。
更にONTAP S3を用いる場合はLocal TierとなるONTAPとCloud TierとなるONTAP S3の環境を同一のクラスタに構成しCluster LIFを用いたFabricPoolを設定することが可能です。この構成を本ブログでは「ローカルクラスタ階層」と呼びます。
 
 
リモートクラスタ階層.png
 
【リモートクラスタ階層の注意事項】
●それぞれ別々のクラスタとしての管理が必要
●それぞれのクラスタで最小構成である2ノードクラスター構成が可能なためクラスタスイッチが不要な構成が可能
 (それぞれのクラスタが4ノードクラスタ以上の場合はそれぞれのクラスタでクラスタスイッチが必要)
 
ローカルクラスタ階層.png
 
【ローカルクラスタ階層の注意事項】
●同一のクラスタで階層化を実施するため2ノードクラスタは組めないので必ずクラスタスイッチが必要
●クラスタネットワークに階層化のデータが流れるため他のサービスでクラスタネットワークにデータが流れる場合はクラスタネットワークの負荷に注意が必要
 
 ONTAP S3を用いたFabricPoolの設定             
   
 
ここからはONTAP S3をCloud Tierに設定した際のFabricPoolの設定方法を説明します。今回は以前の公開したブログと同様の構成となるリモートクラスタ階層での設定を説明します。
 
FabricPoolの設定に使用する機器はLocal TierとしてAFF C190、Cloud TierとしてFAS2520を使用します。ONTAPのバージョンはいずれも9.8をインストールします。
 
 
02_ONTAP S3_FabricPool_検証環境.png
 

▶FAS2520でのONTAP S3の設定

FAS2520にS3プロトコルを有効にしたSVMを作成します。SVMの作成方法は以下のブログで説明した方法と同じです。
 
 
今回は「fabricpool-svm」という名前のSVMを作成します。
 
03_ONTAP S3_FabricPool_SVM名.png
 
続いてバケットを作成します。バケットの作成方法も以前紹介したブログと基本的には同じですが、FabricPoolに関連する設定として「階層化に使用」というチェックボックスがあります。これはローカルクラスタ階層構成のバケットとして使用する際にチェックを入れます。チェックを入れることでクラスタ内の低コストのメディアを自動で選択します。選択されるメディアはHDD ⇒ QLC ⇒ TLC ⇒ NVMe の順で選択されます。今回はリモートクラスタ階層で設定するためこのチェックは外します。
その他の項目に関しては検証ということでQoSはnone、権限はフルアクセスの権限を設定しています。
 
04_ONTAP S3_FabricPool_バケットの追加.png
 

AFF C190でのFabricPoolの設定

まずはONTAP S3と通信するためのInterCluster LIFの設定を行います。
InterCluster LIFは以前紹介した以下のブログの設定内容と同じなので詳しい設定内容は割愛します。
 
 
ただしONTAP 9.8から「ブロードキャストドメイン」はONTAP System Managerで設定できなくなったため以下のコマンドを実行しブロードキャストドメインを作成して下さい。
 
network port broadcast-domain create -ipspace <IPspace名> -broadcast-domain <作りたいブロードキャストドメイン名> -mtu <MTU値> -ports <コントローラ名:物理ポート名>
 
続いてONTAP S3をクラウド階層として追加します。
AFF C190のONTAP System Managerを開き「ストレージ」⇒「階層」⇒「クラウド階層の追加」をクリックします。
 
 
05_ONTAP S3_FabricPool_クラウド階層の追加.png
 
「ONTAP S3」をクリックします。
 
06_ONTAP S3_FabricPool_ONTAP_S3.png
 
クラウド階層の設定画面が表示されます。
「名前」にはONTAP S3を示す任意の名前を入力します。
「サーバ名」はFAS2520のONTAP S3を設定したSVMのFQDNを入力します。
「オブジェクトストアの証明書」にチェックを入れ、証明書入力欄にONTAP S3のユーザ情報に記載されている証明書を入力します。その際、「BEGIN CERTIFICATE」と「END CERTIFICATE」を含み入力して下さい。
 
07_ONTAP S3_FabricPool_クラウド階層の設定_01.png
 
画面をスクロールし、「アクセスキー」にONTAP S3のユーザ情報のアクセスキーを入力します。
同じく「シークレットキー」にONTAP S3のユーザ情報のシークレットキーを入力します。
「バケット名」はONTAP S3設定時に作成したバケット名を指定します。
 
08_ONTAP S3_FabricPool_クラウド階層の設定_02.png
 
画面をスクロールし「プライマリとして追加」でFabricPoolを構成するAFF C190のData Aggregateを選択します。今回は1つのData Aggregateを指定しています。
「ボリュームの選択」ではFabricPoolの対象となるFlexVolを選択します。今回は1つのボリュームを選択し「階層化ポリシー」を「すべて」(Allポリシー)を選択しています。
 
09_ONTAP S3_FabricPool_Aggregateとボリューム.png
 
画面をスクロールし「IPSPACE」ではFabricPoolの通信用のInterCluster LIFが含まれるIPspaceを選択します。
最後に「保存」をクリックし設定を保存します。
 
10_ONTAP S3_FabricPool_Network.png
 
設定が完了するとクラウド階層としてONTAP S3の情報が表示されます。
 
11_ONTAP S3_FabricPool_クラウド階層追加後.png
 
データを保存しS3ブラウザでFAS2520のバケットにアクセスすると4MBのデータが保存されていることが確認できます。
 
12_ONTAP S3_FabricPool_S3ブラウザ.png
 
以上でOTNAP S3を用いたFabricPoolの設定は完了です。
 
ONTAP9.8からHDDを搭載したFASでもFabricPool構成が組めるようになったことから既存でFASをお持ちであれば、ONTAP SelectでONTAP S3環境も用意できますので比較的簡単にお試し頂けます。ぜひ一度お試し下さい。
 
 

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著者紹介

SB C&S株式会社
技術統括部 第1技術部 2課
小川 正一(VMware vExpert)