はじめに
こんにちは、SB C&Sの友松です。この記事では、NutanixのコアソフトウェアであるAOSのバージョン「6.5」の新機能についてご紹介します。AOS 6.5は、5.20に続く最新のLTS(Long Term Support)バージョンとして、2022年7月にリリースされました。
これまでのAOS 5.X世代から、6.X世代へメジャーバージョンアップされて以降、はじめてのLTSバージョンとなります。今後は、このAOS 6.X世代が最新のLTSとなりますので、ぜひ早めの情報収集にご活用いただければ幸いです。
※この記事は、Nutanixのリリースノートをもとに作成しておりますので、詳細は各リリースノートをご確認ください。(My Nutanixアカウントが必要となります)
AOS 6.5(LTS)に追加された新機能
AOS 6.5には、これまでのAOS 5.20(LTS)で提供されていた機能に加えて、AOS 6.0以降にリリースされたShort Term Support(STS)バージョンである 6.0、6.0.1、6.0.2、6.1、6.1.1の新機能が含まれます。
すでに紹介済みの新機能については、以下の記事をご参照ください。
Nutanix AOS 6.0(STS)の新機能紹介
- リビルドキャパシティの予約
- リビルド進捗バーの追加
- ノード追加(Expand Cluster)機能の拡張
- AHVクラスターでのvGPUを備えたVMのADSサポート
- AHVホストのSwitch Port Analyzer(SPAN)
- Prism CentralのDRダッシュボード
Nutanix AOS 6.1(STS)の新機能紹介
- PrismからAHVホストをメンテナンスモードへ移行
- ストレージ容量のサマリーレポートの可視化
- Expand Clusterによるストレージ専用ノードの追加
- クラスターからの複数ノードの削除
- Windows Server 2022 ゲストOSのサポート
- NGTによるWindowsパフォーマンスモニター(perfmon)の統合
今回は、上記の記事ではお見せしていない新機能を追加でご紹介します。Prism Centralを前提とするAOS 6.5の新機能については後半でご紹介します。
◇ゴミ箱が使用するストレージ容量の削除(AOS 6.0.1 にて追加)
AOS 5.19では、削除した仮想マシンvDISKやボリュームグループを24時間保持するゴミ箱機能を、Prismで有効化・無効化できるようになりましたが、手動での削除にはCLIでの操作が必要でした。今回の機能追加ではゴミ箱が保持しているデータをPrismからの操作で削除できるようになりました。VM大量削除後、ゴミ箱がデータを保持してストレージ容量を消費してしまう場合などに役立ちそうですね。
Prism Central(pc.2022.4)の新機能
Prism Centralについては、AOS 6.5に先駆けて、2022年5月に「pc.2022.4」がリリースされています。現在は、AOS 6.5との互換性があるバージョンとして、pc.2022.4.0.2が提供されております。
Prism Central(pc.2022.4)においても、いくつかの新機能が追加されていますので、ピックアップしてご紹介します。
◇AHVでのメモリのオーバーコミット(AOS 6.0.2 以降でサポート)
Prism Centralからの操作で、AHV上の仮想マシンメモリのオーバーコミットを有効化することができるようになりました。既存VMの余剰メモリや未使用メモリを新しいVMのメモリとして使用できるようになります。ちなみに、メモリのオーバーコミットは「aCLI」からの操作でも設定可能です。ただし、Prism Elementからの操作はAOS 6.5時点では非サポートです。
◇AOSデータ転送中の暗号化(AOS 6.1.1 以降でサポート)
Prism Centralからの操作で、クラスター内ノード間での転送データを暗号化できるようになりました。これにより、従来の仮想マシンデータの暗号化に加えて、ノード間の同期系のストレージ通信も保護することができるようになります。ただし、現時点ではRDMA(Remote Direct Memory Access)におけるデータ転送の暗号化はサポートされておりませんので、ご注意ください。
まとめ
この記事では、2022年7月にリリースされたAOS 6.5(LTS)や、Prism Central(pc.2022.4)の新機能を紹介しました。今回ピックアップした内容以外にも様々な機能が追加されていますので、メーカーのリリースノートでも詳細を確認されることをおすすめします。
今後もAOSアップデートについて情報を発信していく予定ですので、ぜひまた当ブログへ情報を収集しに来ていただければ幸いです。
◇Nutanixのリリースノートは以下リンクをご参照ください。(My Nutanixアカウントが必要となります)
◇LTSとSTSについては、こちらの記事をご参照ください。
著者紹介
SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部 第1技術部 3課
友松 桂吾 - Keigo Tomomatsu -
DC運用や留学などの経験を経て2019年にSB C&S入社。好きなことは料理とお酒。嫌いなことは睡眠不足。