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基礎から学ぶ!vSAN 7.0検証環境構築

仮想化
2022.03.14

こんにちは。SB C&S の山田です。

弊社の仮想化プリセールスエンジニアチームでは、これまでC&S Engineer Voiceを通じて積極的にVMware製品やサービスに関する技術情報を数多く発信しております。そうした情報発信活動のひとつとして、2021年12月には「VMwareを学び始めてまだ間もないエンジニアであっても独力でVMware製品の検証環境を構築できるようになってもらいたい」という想いを込めて「基礎から学ぶ!vSphere 7.0検証環境構築」連載シリーズを執筆し、vSphere 7.0の基本的な機能や手順が検証できるvSphere検証環境の構築についてご紹介しました。

今回は、こちらの続編シリーズとして「基礎から学ぶ!vSAN 7.0検証環境構築」と題してブログの連載を開始します。前回のvSphere検証環境構築編に続き、本連載でも初心者の方々にもわかりやすくvSAN 7.0構築手順をご紹介していきます。

※2024/11/15追記
vSAN 8.0の場合、アーキテクチャは2種類あります。「Express Storage Architecture (ESA)」と、「Original Storage Architecture (OSA)」です。
ESAは、8.0から新しく実装されたvSANのアーキテクチャであり、従来のvSANのアーキテクチャはOSAとリネームされています。

本記事の「基礎から学ぶ!vSAN 7.0検証環境構築」は、タイトルの通りバージョン7.0のため、OSAの構築手順を紹介していきます。
ESAの構築手順については、「基礎から学ぶ!vSAN 8.0 ESA検証環境構築」をご確認ください。

以下の順で連載していきますので、一緒にvSAN環境を構築していきましょう!

1. 「基礎から学ぶ!vSAN 7.0検証環境構築」シリーズ連載記事

第1回 vSANクラスターの作成(2022/3/14 公開)

ESXiホストの内蔵ディスクをひとまとめにし、仮想的な共有ストレージとして利用できるVMware vSANの機能概要をご紹介します。そしてvSANを利用するために必要なvSANクラスターを作成します。

第2回 vSANクラスターの拡張(2022/3/14 公開)

より多くのコンピュートリソースやストレージリソースが必要になった場合を想定し、vSANクラスターをスケールアウトします。vSANクラスターにESXiホストを追加して、vSANデータストアを拡張します。

第3回 vSANストレージポリシーの設定(2022/3/14 公開)

vSANデータストアで利用されるストレージポリシーの設定をします。ストレージポリシーで「許容される障害の数」を変更し、ミラーリングとイレージャーコーディングの動作を確認します。

第4回 vSANのメンテナンス時の動作について(2022/3/14 公開)

vSANクラスターでは、ダウンタイムを発生させることなくESXiホストをシャットダウンできます。vSANクラスターならではのメンテナンスモードの種類を説明し、ESXiホストをメンテナンスモードにします。

2. 全体像(完成図)

「基礎から学ぶ!vSAN 7.0検証環境構築」は前回連載していた「基礎から学ぶ!vSphere 7.0検証環境構築」の続編となるため、今回の検証環境は前回のvSphere環境を引き継いで構築していきます。ただし、vSANの要件を満たすために、ESXiホストのディスク構成を変更しています。

まずは、基本的な機能を検証できるような構成のESXiホスト3台のvSANクラスターを構築します。

そして、スケールアウトによる拡張で最終的にESXiホスト4台のvSANクラスターを構築します。

今回構築するvSAN検証環境は、以下のコンポーネントで構成されます。

  • ESXi
  • vCenter Server
  • vSphere Client
  • 仮想ネットワーク(分散仮想スイッチ)
  • 仮想マシン
  • vSANクラスター、vSANデータストア

以下の図は、今回構築するvSAN検証環境の全体図です。前回のvSphere検証環境を引き継いでvSAN検証環境を構築するので、ESXivCenter Serverは既に構築済みです。今回新しく構築する箇所は、青色の枠で囲まれた範囲です。また、構築後はvSANの基本的な機能の設定手順や動作に関してもご紹介していきます。

1.png

vSANでは、ESXiホストの内蔵ディスクとして、パフォーマンス目的で使用されるキャッシュ用のディスクと、データ保存の目的で使用されるキャパシティ用のディスクを用意する必要があります。これらのディスクを組み合わせて、各ESXiホストでディスクグループが構成されます。そしてクラスタ内のディスクグループからvSANデータストアが構成されます。

今回はvSANを構成するために、ESXiホストのディスク構成を「基礎から学ぶ!vSphere 7.0検証環境構築」から変更し、以下の図のように構成しています。

  • 内蔵ディスクとして、キャッシュ用に30GB x 1、キャパシティ用に 300GB x 2 を追加
  • キャッシュ用とキャパシティ用ともにSSDを使用した、オールフラッシュ構成

それぞれのディスクの要件や、vSANデータストアの仕組み、ハイブリッド構成とオールフラッシュ構成の違いなどの解説については、以前の投稿もご確認ください。

2.png

3. まとめ

「基礎から学ぶ!vSAN 7.0検証環境構築」シリーズの概要をご紹介しました。前回のvSphere検証環境構築と同様に、ただ構築していくだけではなく、vSANの機能概要や動作確認を含め、構築手順をイチから学習できるような記事にしていきたいと考えています。楽しみにしていてください。


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著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部
第1技術部 1課
山田 和良 - Kazuyoshi Yamada -

VMware vExpert