こんにちは、Microsoft 365 相談センターの五味です。Word, Excel, Power Pointなどの「Office」の最新版、「Office 2021」が2021年10月5日にリリースされましたね。Office 2021では、XLOOKUPなど新しい関数や、プレゼン資料に使える無料のイラストやアイコンの追加など、機能もより使いやすくアップデートされたようです。
さて、このOffice 2021はサブスクリプションモデル(月額・年額)のMicrosoft 365とは異なり、(Office 2019などと同じく)「買い切り版」のOfficeなのですが、法人向けのOfficeライセンスを今まで提供してきたOpen プログラムは、2021年12月末をもって終息したことをご存知でしょうか?
その代わりとして登場したのが、Software in CSPというプログラム(商流)です。このSoftware in CSPで提供されるOfficeは、2021年下半期リリースのバージョンから「Office LTSC」という名称に変更されました。
そこで今回の記事では、【 Office LTSC 】 の基礎知識をご紹介します。今まで、Office 2019などの買い切り版Officeを購入してきた企業のIT管理者さまや、Officeを販売されている販売店のご担当者の方は、ぜひご一読くださいね。
Open ライセンスとは、Microsoftが提供しているボリュームライセンスで、特にSOHO や中小規模企業向けのライセンスプログラムです。このOpen ライセンス プログラムでの、新規・更新のライセンス販売は 2021年12月31日 で終了します。2022年1月1日以降、Open ライセンス での購入・販売ができなくなりますので、ご注意ください。
Software in CSP とは、Microsoft のサーバー/クライアント製品の永続ライセンスを CSP というライセンスプログラムで販売する方法のことです。
Open ライセンスが2021年末で終息するため、(SAが不要な企業の場合は、)今後Software in CSPで買い切り型(永続版)のOffice のライセンスをご購入いただくか、通常のCSPでサブスクリプション型のOffice ライセンスをご契約いただく必要があります。
ここまでの説明をお読みになって、「OpenライセンスはSoftware in CSPで買えばいいのね」と思われたかもしれませんが、実はMicrosoftとしてはOpenライセンスの乗り換え先は「CSP」を推奨しています。 Software inCSPはあくまで「どうしても永続ライセンスでなければNGな理由がある(例えば、24時間365日オフライン環境での利用が必要など)ようなお客さま向けで、基本的にはCSPライセンスにお乗り換えいただきたい、というのが本音なのです。Microsoft 365 相談センターを運営しているSB C&Sとしても、Openのお乗り換え先はCSPを推奨しています。
Office LTSCとは、Long Term Servicing Channel:長期サービスチャネル の略で、法人向けのオンプレミス版Officeの新しい名称です。2021年下半期に発売開始となったバージョンから変更されました。
今後Software in CSPでOfficeのライセンスを購入(もしくは販売)する場合は、この Office LTSC をお選びいただくことになります。
今回このブログ内でご紹介している内容を、6分間の動画にまとめました。
販売店のご担当者様は、是非お手すきの際にチェックしてみてくださいね。また、企業のご担当者様にもご覧いただいても問題ありませんので、従来のOffice 2019などのようなOfficeとOffice LTSCの違いについて知りたい方はぜひご覧ください。
従来のOfficeの名称変更というだけではあるのですが、この名称の変更に伴い、3つ変更がなされています。
Microsoftは、Office LTSCの利用用途を、医療関連システムや航空交通管制システムなどのように、規制下にあって何年も機能更新が許されないデバイスや、インターネット接続がされていない製造現場のデバイスなど、長期のサービスチャネルを必要とする特殊デバイス向けとしています。
これらのような特定デバイスや特定用途を除く全ての法人は、企業が業務効率化や生産性を高め、長期的な成長を加速するためにも、Microsoft 365 への速やかな移行が推奨されます。
Office LTCはこれまでのリリースと同様に、デバイスベースの "永続" ライセンスではありますが、そのサポート期間は発売開始時期から5年間となります。
従来は、メインストリームサポート5年+延長サポート2年の合計7年間のサポートが提供されてきましたので、延長サポートがまるっとなくなるイメージです。
なお、ここで注意したいのが、サポート期間は「購入日から」ではなく「発売開始時期から」という点です。購入するタイミング次第では、サポート期間は5年未満になるケースもあります。
LTSCの価格は、従来のOfficeと比べて、リストプライス(卸売価格)が最大18%引き上げとなりました。最新のOffice LTSCの価格については、弊社の営業までお問い合わせくださいませ。
ここまでご覧いただくと、「改悪じゃないか!」と受け取られる方もいらっしゃるかと思います。
なぜこのような改悪とも取れるような変更をされているのかというと、最初の方にも少しお話したとおり、Microsoftとしては従来型の買い切り型(永続版)のOfficeではなく、今後は出来る限り、サブスクリプション型であるMicrosoft 365(CSP)に移行して欲しい、という強い思いがあるからです。
サブスクリプション型のMicrosoft 365ですと、サポートが切れる心配もなく、常に最新版をご利用いただけるため、セキュリティ面でも非常に安心です。また、Microsoft 365 Business Standard など、今話題のTeamsをご利用いただけるプランなら、テレワークやハイブリッドワークといった柔軟な働き方にも対応できます。
コスト面で考えてみても、Office LTSCの価格はMicrosoft 365 CSPの価格と比べて大きく優位性が見いだせるわけでもなく、また、Microsoft 365 CSPは月額(あるいは年額)なので従業員の増減に柔軟に対応でき、余分にライセンスを買って取っておく必要もありませんので、コストの最適化も図れる可能性があります。
「サブスクリプション」というと、少し悪いイメージを持たれがち(最近は少し変わってきたでしょうか?)ですが、ユーザーにとってはメリットも多いので、Microsoft 365 (CSP)も検討してみていただくのも1つの選択肢ですよ。
はい。ダウングレード権はライセンスプログラムで定義されておりますので、LTSCにもダウングレード権が付与されます。
Software in CSPでの提供です。通常のCSPでは提供されません。
はい、利用できます。オンラインでも、その設計思想をご理解いただければ、利用は問題無いかと思われます。(厳密には、利用禁止はされておりません)
なお、確認したところ、オフラインで更新プログラムを必要としない端末用に設計されているだけ、さらにOSのWindows 10自体もLTSCを推奨しているだけで、最終的にはOffice 2021と同じシステム要件になってしまっているようです。
Openライセンス終息後にOfficeアプリを利用したい場合、下記の選択があります。
はい、「Officeの機能」としては、Office LTSCとOffice 2021は同じとして案内してよろしいかと思われます。
いいえ。Software in CSP では「Office Standard 2021」、「Office Professional Plus 2021」は提供されません。
Software in CSP では、今回のOfficeのバージョンアップから、従来の年号型で提供されてきた「Office 2019」のような方式ではなく、「Office LTSC」がリリースされました。「Windows 10 Enterprise LTSC」と同様に、更新プログラムを必要としない端末向けの「LTSC」モデルが「Office LTSC」です。
下記のようなモデルがあります。なお、「2021」と年号が付いていますが、これはOfficeのバージョンではなく、LTSCのバージョン/年号です。LTSCバージョンは3年毎に提供(予定)、次のOffice LTSCバージョンは「2024」でのリリースが予定されています。(「Office 2021」ではないのでご注意ください。)
いかがでしたか?Office LTSCについての理解は深まりましたでしょうか。
Software in CSPでOffice LTSCを買うべきなのか、Microsoft 365(CSP)にするべきなのか、お悩みの方は、ぜひMicrosoft 365 相談センターにご相談ください。
この他、法人でのMicrosoft 365導入時(導入前)のご相談は、Microsoft 365相談センターまでお気軽にお問い合わせください。
Microsoft 365の専任スタッフが皆さまからのお問い合わせやご相談に丁寧に回答いたします。
それではまた、次回のブログでお会いいたしましょう!
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