IT管理者向け
画像
  • ★ この記事は5分で読めます。
この記事のライター:Microsoft 365 相談センター 五味ちゃん

こんにちは、Microsoft 365 相談センターの五味です。「電子情報開示」って聞いたことありますか?英語では「eDiscovery」と呼ばれるこの機能は、訴訟で証拠として使用できる電子的情報を特定および提供するプロセスのことを指します。

法務部門やIT部門のご担当者様でないと、「あまり聞いたことがないな」という方も多いかもしれませんね。しかし、です。そこで今回の記事では、【 Microsoft 365の電子情報開示ソリューション 】 について簡単にご紹介してみようと思います。

マンガ解説資料を無料でダウンロードする

「電子情報開示」とは?

「電子情報開示」とは、民事訴訟における電子データの開示手続きのことです。

万が一、トラブルが当人間で解決できずに訴訟が行われる場合には、証拠や証言をもとに公平な裁判が行われます。社内のメールやIMのチャット記録、これらの電子データがその訴訟に関係があれば、企業は裁判所に提出しなければならないと法律で定められています。

例えばある日突然、「『Aに関する資料』『BさんとCさんのやり取り』のすべてを3日後までに提出せよ」と裁判所に命じられたらどうしますか?Microsoft 365・Office 365上にあるデータが多ければ多いほど、とても3日でなんて無茶ですよね。それに、もし社内に証拠を隠滅しようとする人がいたら、大事なデータが消されかねません。そこで登場するのが、電子情報開示のためのMicrosoft 365の3つのソリューションです。

  

Microsoft 365の3つの電子情報開示ソリューション

Microsoft 365 の電子情報開示ツールを使用すると、メール・スケジュール機能を提供するExchange Online、個人用のクラウドストレージのOneDrive for Business、全社用の共有フォルダとして利用されるSharePoint Online、web会議やビジネスチャットをはじめとした機能を提供するMicrosoft Teamsなどのコンテンツを検索したり、その検索結果をエクスポートすることができます。

  • ※ ちなみに、2017年頃より以前に提供されていた、Exchange Onlineで利用可能なインプレース電子情報開示と保持の機能(レガシーeDiscovery)については、2020年10月1日に読み取り専用のみ利用可能となり、実質提供が終了しています。レガシー機能は現在ではMicrosoft365コンプライアンスセンターのeDiscoveryツールに移植されていますので、そちらをご利用ください。

Microsoft 365には3つの電子情報開示ソリューションがあります。

Content search

Microsoft 365データソース全体(メールボックス、Exchange アカウント、OneDrive for Business サイト、SharePoint、Microsoft Teams、Microsoft 365 グループ、および Yammer Teams に格納されているコンテンツ)からコンテンツを検索し、検索結果をローカルコンピューターにエクスポートできます。

Core eDiscovery

Content search でも提供されている機能(コンテンツの検索、キーワードクエリと検索条件、検索の統計、検索結果のエクスポート、役割に基づくアクセス許可)に加えて、Core eDiscoveryとAdvanced eDiscovery の特定の検索とエクスポートを調査委に関連つけしたり、メンバーをケースに割り当ててアクセスできるユーザーを制御するなどのケースの管理機能、ケース内のコンテンツの場所を法的に保留することで、調査に関連するコンテンツを保持(これにより、調査中に電子的に保存された情報を不注意 (または意図的に) 削除から保護できる)する機能、があります。

Advanced eDiscovery

Advanced eDiscoveryツールは、Core eDiscoveryのまでの機能に加えて、プロフェッショナルな機能が追加されています。例えば、ケースに関連するコンテンツを保持するように保管担当者に指示する法的ホールド通知や、収集されたアイテムは元のコンテンツの場所からコピーしておけるレビューセット、背ビューにセットした画像データからテキストを抽出する光学式文字認識 (OCR)、Teams・Yammerの会話スレッド全体の収集、タグ付け、分析、予測コーディングモデルなど。

含まれるプランは?

Microsoft 365・Office 365のE3やE5のプランには、電子情報開示のための機能が標準搭載されています。

Content search

  • Office 365 E1
  • Microsoft 365 Business Premium
  • Microsoft 365 F1, F3 または F5 セキュリティ アドオン

コア電子情報開示

  • Office 365 E3
  • Microsoft 365 Business Premium
  • Microsoft 365 E3
  • Microsoft 365F5 コンプライアンス アドオンまたは F5 セキュリティ & コンプライアンス アドオン

Advanced eDiscovery

  • Office 365 E5
  • Microsoft 365 E5
  • E5 コンプライアンス アドオンが含まれている Microsoft 365 E3 サブスクリプション
  • Microsoft 365F5 コンプライアンス アドオンまたは F5 セキュリティ & コンプライアンス アドオン

   

まとめ

いかがでしたか?今回は少しむずかしいお話でした。まずはMicrosoft 365・Office 365のE3やE5のプランには、電子情報開示のための機能が標準搭載されているとご理解いただければOKじゃないかな、と思います。機能の詳細について聞いてみたい、という方は、ぜひMicrosoft 365 相談センターまでお気軽にご相談ください。

この他、法人でのMicrosoft 365導入時(導入前)のご相談は、Microsoft 365相談センターまでお気軽にお問い合わせください。
Microsoft 365の専任スタッフが皆さまからのお問い合わせやご相談に丁寧に回答いたします。

  • ※ 導入後のお問い合わせは、販売店さま、もしくは購入後の問い合わせ窓口までお願いいたします。

それではまた、次回のブログでお会いいたしましょう!

 

電子情報開示機能について相談してみる

IT管理者向けに関する記事

Microsoft 365 Defender サービスのイロハ ~含まれるサービスと旧名称、主な機能まとめ~
Office 365のOfficeの更新プログラムは管理できる?
IT管理者向け Office 365のOfficeの更新プログラムは管理できる?
上限「300」はテナントごと!! Business系SKU購入条件変更まとめ
永続ライセンスのOfficeと、Microsoft 365のクラウドサービスを接続して使える?真相を解説!
20%値上げ前に!IT管理者なら理解しておきたい5つのポイント
うちのテナント、いつアップグレードが適用されるの?
Office 365 Openライセンス新規利用/更新利用の仕方
IT管理者向け Office 365 Openライセンス新規利用/更新利用の仕方
Officeアプリの「商用利用権」とは?
IT管理者向け Officeアプリの「商用利用権」とは?
Microsoft CSP:永続型ライセンス(Software in CSP) とは?メリデメ、対象製品などまとめてみた
もうOutlookを使った移行は要らない!Office 365へ直接インポート!
万が一に備え、絶対にやっておくべきMicrosoft 365ログ管理の強化とは?
Microsoft 365の初期ドメイン(onmicrosoft.com)が既に使われているかどうかの調べ方
Office 365の製品なのに
IT管理者向け Office 365の製品なのに"Azure" AD?
管理者に朗報!使われなくなったTeamsのチームの自動削除機能
Office 365のこと、どこに問合せすればいいの?
IT管理者向け Office 365のこと、どこに問合せすればいいの?
Microsoft 365・Office 365の管理センターについて機能や使い方を紹介
Office 365のOfficeにデバイス用ライセンスはありません!
Windows 7 を Windows 10 Proにアップグレードする方法
IT管理者向け Windows 7 を Windows 10 Proにアップグレードする方法
Openライセンス終了後もOffice 365/Microsoft 365を使うには、どうすれば良い?
Windows 7を継続利用するためのライセンス「ESU」と2021年の更新のご案内
ズバリ解説!Microsoft 365のテナントは統合できる?テナント間のライセンス移動は可能?
【Open プログラム変更】2022年1月以降、Open ライセンスでのOffice 365新規発行ができなくなります
ちょっと難しい・・・SharePoint Onlineのアクセス権
IT管理者向け ちょっと難しい・・・SharePoint Onlineのアクセス権
Teamsで組織外のユーザーとの通信を制御する方法
IT管理者向け Teamsで組織外のユーザーとの通信を制御する方法
法人の新規利用/更新利用のお客様へ、有効化処理にお困りですか?
OneDrive for Businessの容量を拡張することは出来る?出来ない?ズバリ解説!
テレワーク時代の端末紛失対策ならIntune!どんな管理設定ができるかご紹介します
AutoPilotとは?利用のメリットや従来の「イメージ展開」との違い、必要なライセンス・システム要件を解説!
次のOSは「Windows 11」!要件や互換性、Win10/11それぞれのサポート期間などよくある質問にお答えします
どこまで設定すれば安心?OneDrive for Businessの安全対策~どんな事ができる?どうやって設定する?~
クラウドストレージだから尚更気になる!監査機能
IT管理者向け クラウドストレージだから尚更気になる!監査機能
またまた安全性強化?標準でSharePointとOneDriveが暗号化される!?
Office 2019とOffice 365の「OSのシステム要件」とは
IT管理者向け Office 2019とOffice 365の「OSのシステム要件」とは
Teamsは、外部ユーザーも招待できます
IT管理者向け Teamsは、外部ユーザーも招待できます
Microsoft 365 Apps for businessだけを契約してTeamsが使えるのか?その真相を解説します
今後のWindows 7に対するOffice 365のサポート方針は?ESUをつけたらどうなる?
Exchange OnlineでもグローバルIPで接続制限が可能に。
IT管理者向け Exchange OnlineでもグローバルIPで接続制限が可能に。
Microsoft 365 Apps を共有PCで使うには?
IT管理者向け Microsoft 365 Apps を共有PCで使うには?
アカウント乗っ取りや不審アクセス対策の心強い味方「Microsoft Defender for Cloud Apps」
Officeの新しいインストール方式「クイック実行」
IT管理者向け Officeの新しいインストール方式「クイック実行」
Microsoft 365のメールってどのくらい使える?メールボックスの容量や拡張可否まで、一挙解説
みんな使ってる!?IT部門のお悩みを解決する人気のオプションプランを紹介
不正サインインを防ぐ!Microsoft 365の多要素認証と注意したいこと
Microsoft 365を安心して使える理由!Microsoftの4つのセキュリティ対策
Microsoft 365の購入先/プラン/支払タイミングを変えられる?変えたらどうなる?

注目の記事

10月リリース!Office LTSC 2024情報まとめ
製品情報 10月リリース!Office LTSC 2024情報まとめ
Microsoft 365 Apps を共有PCで使うには?
IT管理者向け Microsoft 365 Apps を共有PCで使うには?
Copilot for Microsoft 365 対象製品拡大
製品情報 Copilot for Microsoft 365 対象製品拡大

製品についてのお問い合わせ

導入検討にあたって
情報収集中の方へ

Microsoft 365導入にあたって情報収集中の方に嬉しいホワイトペーパーをご提供しています。

導入でお困りの方へ

Microsoft 365導入にあたって不明点などございましたら、Microsoft 365相談センターへ。Microsoft 365に精通したスタッフが皆さまからのお問い合わせをお待ちしております。