IT管理者向け
画像
  • ★ この記事は5分で読めます。
この記事のライター:Microsoft 365 相談センター 五味ちゃん

こんにちは、Microsoft 365 相談センターの五味です。先日、Windows 12が2024年にも登場するかもというニュースが入ってきましたね。
以前はWindows 10が最後のバージョンと豪語していたのに、それをあっさりと撤回して昨年2021年6月にWindows 11がリリースされたわけですが、今後は以前のように3年サイクルでリリースされていくのでしょうか。

さて、今後どうなっていくかまだ分からないWindows OSですが、その「展開」や「運用・管理」は、以前よりIT管理者の皆さんを悩ませてきました。

PCの機種ごとにイメージを作成する必要があるとか、更新プログラムがリリースされるたびにそのイメージを更新していく手間がかかるとか。「Windows as a Service」であるWindows 10や11のような最新OSでは、そもそもマスターイメージを作成して展開するような従来の方法では、年2回のマスターの作り替え作業が発生してしまいます。
また、現在ではテレワークやハイブリッドワークといった働き方を取っている企業も多くいますが、出社しなければPCのセッティングが出来ないというのも、問題ですよね。

そんなお悩みを解決するのが、「AutoPilot」です。最近、Microsoft 365 相談センターにも多くの相談を寄せられている機能の1つです。そこで今回の記事では、 【 AutoPilotとは何か、必要なライセンスや従来のイメージ展開との違いなど 】 を解説していきます!

五味ちゃんがMicrosoft 365を徹底解説します!資料ダウンロードはこちら!

1.AutoPilotとは?

(1) AutoPilot とは

「Microsoft AutPilot」とは、Windows OSをクラウド経由で展開する手法のことで、PCの新規セットアップにかかる手間を省くことができる嬉しいツールです。新しいデバイスのセットアップはもちろん、既存のデバイスを別の従業員に貸与し直す際のリセットから再セットアップも可能です。

AutoPilot を使うと、一般の従業員は手元に届いた新しい業務用PCの電源を入れて、ネットワークに繋いでログオンするだけで、PC環境のセットアップが完了します。電源を入れて、ネットワークに繋いでログオンするだけで良いので、iPhone やAndroid などのスマートフォンを次世代機に機種変するときよりも簡単かもしれません。

(2) AutoPilot を使うメリット

AutoPilot を使うメリットは、IT管理者の工数削減、そして、リモートでもセットアップが出来ることから、従業員の働き方の変化(テレワーク)にも対応できることです。

ここまででも説明してきたように、従来OSの展開は非常に工数のかかるものでした。PCの機種ごとにイメージを作成する必要があったり、更新プログラムがリリースされるたびにそのイメージを更新していく手間がかかります。そもそもマスターイメージを作成して展開するような従来の方法では、半期に一度の頻度で機能更新がある「Windows as a Service」であるWindows 10や11のような最新OSでは、年2回のマスターの作り替え作業が発生してしまいます。
また、設定したい台数が多い場合には、IT部門でセットアップチームを組んでマシンを一斉にセットアップ設定していた、というケースもあるかもしれませんが、新型コロナウイルス感染症対策などで出社制限などもあるような時代、そもそも出社しなければPCのセッティングが出来ないというのも問題です。

AutoPilot を使えば、IT部門は自分たちで1台1台PCを開梱してセットアップをする必要はなくなります。従業員の手元に届くようにPCの手配を行い、AutoPilotにユーザーを登録するだけです。従業員も、PCセットアップのためにオフィスに出社する必要はありません。PCの電源を入れて、ネットワークに繋いでログオンしたら、10分程度ですぐに業務を開始できます。

  

2.AutoPilot を利用するために必要なもの

AutoPilot を利用するためには AutoPilot が利用できるライセンスの契約、システム要件のクリア、そしてインターネット環境が必要です。

(1) AutoPiot の利用に必要なライセンス(以下のいずれか)

  • Microsoft 365 Business Premium
  • Microsoft 365 E3
  • Microsoft 365 E5
  • Microsoft 365 F1
  • Microsoft 365 F3
  • Enterprise Mobility + Security(EMS) E3
  • Enterprise Mobility + Security(EMS) E5
  • Azure Active Directory Premium P1/P2 と Microsoft Intune

[補足]「Intune」以外に「Azure AD Premium」のライセンスが必要なのはなぜ?

AutoPilotの設定はIntuneでデバイスの設定管理画面で設定をしますが、AutoPilot によるデバイス登録を利用する場合には、自動登録機能を利用することから、AutoPilot を利用するユーザーすべてに「Azure AD Premium P1」以上が必要となります。

AutoPilotを利用するためのライセンス構成は少し難しいですよね。どのようなライセンスにすれば良いのかお困りの際は、ぜひMicrosoft 365 相談センターまでご相談くださいね。

AutoPilotの導入を相談する

 

(2) システム要件

  • Windows 11 Pro、Pro、Pro、および Education のEnterprise
  • Windows 10 Pro、Pro Education、Pro for Workstations、Enteprise、Education
  • Windows Holographic バージョン2004以降

AutoPilotは、Windows 10から導入された新しいツールなので、それ以前のPCでは利用できません。Windows 10以降でも、そのPCがAutopilot対応の製品であることを確認した上でご利用ください。(自作のPCや、個人で購入したPCをBYODとしてAutoPilotに登録して使うことは出来ない)
また、AutoPilotはビジネス用なので、HomeやStarter Editionには非対応です。(個人ではあまり必要としない機能だとは思いますが...)

Microsoft 365の法人での導入でお悩みならSB C&SのMicrosoft 365 相談センターにお問い合わせください!

3.従来の「イメージ展開」の違いとAutoPilotを利用するメリット

従来のWindows OS の展開方法と言えば、まずは各種の設定やセキュリティポリシー、アプリケーションなどの情報をマスターイメージに落とし込みます。次に、Sysprep(システム準備ツール)を使い、対象PCのPC固有の情報を削除 (一般化)し、クローニング可能にします。その後、クローニングツールを用いて、マスターイメージを書くデバイスに展開する、という流れでした。

Microsoft AutoPilotは、インターネット経由でAzure ADに参加し、Windows PCの初期設定部分(青い画面の設定部分)を簡易的かつ自動的に展開できます。まずは管理者側でデバイス情報やユーザー情報、プロファイルをあらかじめ登録しておきます。従業員がPCを受け取ったら、従業員はPCを起動し、ログオンするだけでOS、会社固有の設定、自身のプロファイルがそのデバイスに自動的に適用されます。AutoPilotでWindowsの初期設定が展開された後、Intuneからのポリシーや設定により、PC機能の制限やIntune対応アプリの配布(インストール)もできます。
インターネットさえつながる環境であれば、在宅勤務や遠隔地にいる従業員に対して遠隔でWindows PCを展開、設定できるのがメリットになります。

   

4.まとめ

いかがでしたか?今回は、 【 AutoPilotとは何か、必要なライセンスや従来のイメージ展開との違いなど 】 を解説してみました。AutoPilotやWindows OSの部分は非常に奥が深いので、この記事でご説明できなかった部分もあると思いますが、導入に際してお困りな点やご相談があれば、ぜひMicrosoft 365 相談センターにお問い合わせくださいね。

【 Microsoft 365 伝道師 五味ちゃんのワンポイントまとめ 】

  • AutoPilot とは、Windows OSをクラウド経由で展開する手法のことで、PCの新規セットアップにかかる手間を省くことができる嬉しいツール
  • AutoPilot を利用するためには AutoPilot が利用できるライセンスの契約、システム要件のクリア、そしてインターネット環境が必要!
    特に、ライセンス周りは非常にややこしいので、どのようなライセンスにすればよいかお困りの際は、ぜひご相談ください。
  • 従来の「イメージ展開」とは全く異なる展開方法。そもそもWindows 10以降は半期に一度の頻度で機能更新が入るため、従来の「イメージ展開」では工数が非常にかかってしまうため、これからの展開は「AutoPilot」で行うのが吉!

この他、法人でのMicrosoft 365導入時(導入前)のご相談は、Microsoft 365相談センターまでお気軽にお問い合わせください。
Microsoft 365の専任スタッフが皆さまからのお問い合わせやご相談に丁寧に回答いたします。

  • ※ 導入後のお問い合わせは、販売店さま、もしくは購入後の問い合わせ窓口までお願いいたします。

それではまた、次回のブログでお会いいたしましょう!

Microsoft 365の法人での導入でお悩みならSB C&SのMicrosoft 365 相談センターにお問い合わせください!

IT管理者向けに関する記事

みんなが使ってる!?IT部門を悩ませるよくある悩みを解決する人気のオプションプランを紹介
OneDrive for Businessの容量を拡張することは出来る?出来ない?ズバリ解説!
裏ワザ!? Office 365 Businessファミリーのお得な買い方
IT管理者向け 裏ワザ!? Office 365 Businessファミリーのお得な買い方
Microsoft 365 Defender サービスのイロハ ~含まれるサービスと旧名称、主な機能まとめ~
Yammer Enterprise の単体プラン提供終了
IT管理者向け Yammer Enterprise の単体プラン提供終了
ちょっと難しい・・・SharePoint Onlineのアクセス権
IT管理者向け ちょっと難しい・・・SharePoint Onlineのアクセス権
ご安心ください。その古いOffice、Office 365のOfficeとも共存できますよ
新しい情報保護機能「AIP」
IT管理者向け 新しい情報保護機能「AIP」
Office 2019とOffice 365の「OSのシステム要件」とは
IT管理者向け Office 2019とOffice 365の「OSのシステム要件」とは
メールだけじゃない!カレンダーも連絡先も、Google Appsからお引っ越し!
どこまで設定すれば安心?OneDrive for Businessの安全対策~どんな事ができる?どうやって設定する?~
Office 365と連携可能なサードパーティ製品で理想的なシステム運用
Officeアプリの「商用利用権」とは?
IT管理者向け Officeアプリの「商用利用権」とは?
Office 365のこと、どこに問合せすればいいの?
IT管理者向け Office 365のこと、どこに問合せすればいいの?
もうOutlookを使った移行は要らない!Office 365へ直接インポート!
Microsoft 365の購入先/プラン/支払タイミングを変えられる?変えたらどうなる?
Windows 7を継続利用するためのライセンス「ESU」と2021年の更新のご案内
次のOSは「Windows 11」!要件や互換性、Win10/11それぞれのサポート期間などよくある質問にお答えします
Microsoft 365の初期ドメイン(onmicrosoft.com)が既に使われているかどうかの調べ方
Office 365に接続できるOfficeが厳しく絞られる!?
IT管理者向け Office 365に接続できるOfficeが厳しく絞られる!?
メール安全強化のための3つの鉄板オプション
IT管理者向け メール安全強化のための3つの鉄板オプション
Microsoft 365 Apps for enterpriseにデバイスライセンスが出る!?その真相
あと4ヶ月サポート終了!Office 2013 Business/ ProPlus
IT管理者向け あと4ヶ月サポート終了!Office 2013 Business/ ProPlus
続・Office 365のOffice 2013の提供が終わります
IT管理者向け 続・Office 365のOffice 2013の提供が終わります
テレワーク時代の端末紛失対策ならIntune!どんな管理設定ができるかご紹介します
Office 365のOfficeにデバイス用ライセンスはありません!
Office for Mac2011、インストールファイル提供終了
IT管理者向け Office for Mac2011、インストールファイル提供終了
Office 365 Openライセンス新規利用/更新利用の仕方
IT管理者向け Office 365 Openライセンス新規利用/更新利用の仕方
Intuneがあれば、Windows Defenderの管理者向けレポート画面(プレビュー版)が見れる話
うちのテナント、いつアップグレードが適用されるの?
Office 2007からのお乗り換えはOffice 365を!
IT管理者向け Office 2007からのお乗り換えはOffice 365を!
Office 365の製品なのに
IT管理者向け Office 365の製品なのに"Azure" AD?
Office 365 Business Premiumを「300名以上」で契約する方法
IT管理者向け Office 365 Business Premiumを「300名以上」で契約する方法
ライセンス付け替えと再インストールを!Officeのプラン変更時の注意点
危険な添付文書付きメールには、ATPを!!!
IT管理者向け 危険な添付文書付きメールには、ATPを!!!
クラウドストレージだから尚更気になる!監査機能
IT管理者向け クラウドストレージだから尚更気になる!監査機能
管理者に朗報!使われなくなったTeamsのチームの自動削除機能
OfficeのPCお引越し時の手続き
IT管理者向け OfficeのPCお引越し時の手続き
Openライセンス終了後もOffice 365/Microsoft 365を使うには、どうすれば良い?
Office 365 の 4つのOfficeを使いこなそう!
IT管理者向け Office 365 の 4つのOfficeを使いこなそう!
【Open プログラム変更】2022年1月以降、Open ライセンスでのOffice 365新規発行ができなくなります
またまた安全性強化?標準でSharePointとOneDriveが暗号化される!?
やっぱりディフェンスが大事!?Office 365の監視・制御ができるAzure AD Premium
Teamsで組織外のユーザーとの通信を制御する方法
IT管理者向け Teamsで組織外のユーザーとの通信を制御する方法
【Office 365移行ガイド】G Suiteの移行方法をご紹介!
IT管理者向け 【Office 365移行ガイド】G Suiteの移行方法をご紹介!
Officeの新しいインストール方式「クイック実行」
IT管理者向け Officeの新しいインストール方式「クイック実行」
Office 365のOfficeと旧バージョンのOfficeは混在できますか?
Office 365のOfficeの更新プログラムは管理できる?
IT管理者向け Office 365のOfficeの更新プログラムは管理できる?
アカウント乗っ取りや不審アクセス対策の心強い味方「Microsoft Defender for Cloud Apps」
万が一に備え、絶対にやっておくべきMicrosoft 365ログ管理の強化とは?
永続ライセンスのOfficeと、Microsoft 365のクラウドサービスを接続して使える?真相を解説!
Microsoft 365・Office 365の管理センターについて機能や使い方を紹介
Microsoft 365 Apps for businessだけを契約してTeamsが使えるのか?その真相を解説します
Microsoft 365を安心して使える理由!Microsoftの4つのセキュリティ対策
ズバリ解説!Microsoft 365のテナントは統合できる?テナント間のライセンス移動は可能?
今後のWindows 7に対するOffice 365のサポート方針は?ESUをつけたらどうなる?
Office 365を導入したら考えたい、次のステップとは?
IT管理者向け Office 365を導入したら考えたい、次のステップとは?
Teamsは、外部ユーザーも招待できます
IT管理者向け Teamsは、外部ユーザーも招待できます
STOP!Office 365のライセンス違反!
IT管理者向け STOP!Office 365のライセンス違反!
Microsoft 365のメールってどのくらい使える?メールボックスの容量や拡張可否まで、一挙解説
Microsoft CSP:永続型ライセンス(Software in CSP) とは?メリデメ、対象製品などまとめてみた
不正サインインを防ぐ!Microsoft 365の多要素認証と注意したいこと
Windows 7 を Windows 10 Proにアップグレードする方法
IT管理者向け Windows 7 を Windows 10 Proにアップグレードする方法
コンプライアンス時代のOffice 365の監査ログ
IT管理者向け コンプライアンス時代のOffice 365の監査ログ
「電子情報開示」(eDiscovery)とは?Microsoft 365ではどんな事ができる?
法人の新規利用/更新利用のお客様へ、有効化処理にお困りですか?
Exchange OnlineでもグローバルIPで接続制限が可能に。
IT管理者向け Exchange OnlineでもグローバルIPで接続制限が可能に。

あなたにおすすめの資料

Microsoft 365相談センターでは、 Microsoft 365 により詳しくなれるお役立ち資料をご提供しています。

注目の記事

あなたにおすすめの資料

Microsoft 365相談センターでは、 Microsoft 365 により詳しくなれるお役立ち資料をご提供しています。

製品についてのお問い合わせ

導入検討にあたって
情報収集中の方へ

Microsoft 365導入にあたって情報収集中の方に嬉しいホワイトペーパーをご提供しています。

導入でお困りの方へ

Microsoft 365導入にあたって不明点などございましたら、Microsoft 365相談センターへ。Microsoft 365に精通したスタッフが皆さまからのお問い合わせをお待ちしております。

購入をご検討の方へ

Microsoft 365の購入はweb、または日頃お取引のある販売店からもご購入いただけます。

Microsoft 365の
プラン構成がわかる
資料はこちら
資料をダウンロードする