IT管理者向け
画像

120px_gomichan-maru2.pngこんにちは、Office 365相談センターの五味です。

そろそろ今年の新卒が新卒研修を終えて、OJTや現場配属される頃でしょうか?
弊社でも、もうすぐ各部署へ配属されると聞いています。
(残念ながら、私の部署は新人が配属されることがめったにないので、今年もそんな話題とは無関係ですが...)

さて、現場配属されて本格的に仕事をこなすようになる新卒諸氏にも分かるよう、
このブログ記事も、もう少し噛み砕いた内容を含めながら
皆さんにお届けしていきたいと思っております。

今回の記事では、最近できるようになったExchange OnlineのグローバルIPによる
接続制限についてご紹介しますが、まずは「グローバルIPとはなんぞや?」
というところから、見ていきましょう。

グローバルIPで接続制限ってつまり...?

Office 365の導入にあたって、IPアドレス周りのところは結構話に出てくるので、管理者や情報システム担当の方にはぜひ理解を深めておきたいトピックスです。
簡単ではありますが、IPアドレスの基礎についておさらいしてみましょう。

そもそもIPアドレスとは

ネットワーク上にある機器(PCなど)を識別するための番号で、よく「住所」や「電話番号」に例えられます。
ネットワークでデータをやり取りするには、相手先のIPアドレス(住所)を宛先に設定して通信を行います。
IPアドレスには「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」の2種類があります。

グローバルIPとプライベートIPアドレスの違い

  • グローバルIPアドレス:インターネットに接続する際に、ネットに接続されている機器1台1台に一意に割り振られるIPアドレス。
  • プライベートIPアドレス:例えば会社内などで、ルーターが自分の下に接続されているPCを判別するために用いるIPアドレス。ルーターに対し複数台PCが接続されている場合、実はルーターが代表してグローバルIPを持ち、インターネット通信を行っています。その際に"このPCは誰なのか"を判断するために持つものです。ローカルIPアドレスとも。

話し始めるとキリがないですね...!
かなり簡略化して書いているので、もっと詳しく知りたい方は、Let's Google.

グローバルIPアドレスで制限するとは

端的にいうと、アクセス元のグローバルIPアドレスが許可していないものだったら接続を拒否する、ということですね。
例えば、"社内からのアクセスはOKにして、社外からのアクセスはNGにする"なんていうのがこれで実現できちゃいます。

Exchange Onlineでも接続制限OKになりました

さて、ここからが本題です。
Office 365サービス提供開始以来、最も多くの要望が寄せられてきたと言っても過言ではない、Exchange Onlineで、グローバルIPアドレスによる接続制限が出来るようになりました。
今までは、ファイル共有サービスである「SharePoint Online」と「OneDrive for Business」だけが、このグローバルIPでの接続制限を設定できましたが、これからはメールでも出来るようになります。

Microsoft|TechNet-Office Blogs:SharePointとOneDrive for Businessでネットワークの場所に基づく条件付きアクセスポリシーを適用

出来るようになったこと

  • グローバルIPアドレスによる接続許可/禁止
  • 一部のユーザーや全ユーザーといった接続許可範囲の設定
  • 接続プロトコル※の制限
  • 以下の接続機能/対象
    ExchangeActiveSync/ExchangeAdminCenter/ExchangeWebServices/IMAP4/OfflineAddressBook/OutlookAnywhere (MAPI over HTTP を含む)/OutlookWebApp (Web 上の Outlook)/ POP3/PowerShellWebServices/RemotePowerShell/REST

<規制の例>

  • 特定の IP アドレスからの Exchange ActiveSync クライアントへのアクセスを許可し、他のすべての ActiveSync クライアントをブロックする
  • 特定の国または地域内のユーザーの Exchange 管理センター (EAC) へのアクセスをブロックする

Exchange Online、グローバルIPで接続制限可能に

ここに注意

待望の管理機能なのですが、

  • Exchange Online管理センター画面からの設定はできません。
    PowerShell での設定となります。
  • 接続設定をする際は、まずはじめに管理者だけはExchange Onlineにアクセスできるように設定しておいてください

まとめ

▼まとめ
・Exchange OnlineでもグローバルIPで接続制限が出来るようになりました。
・但し、Exchange Online管理画面からではなく、PowerShellによる設定が必要です。

SharePoint、OneDriveに続き、Office 365のメール機能であるExchange Onlineに
グローバルIPによる接続制限が管理機能に追加されたのは嬉しいですよね。
コンプライアンスを気にされる企業でも安心して導入をご検討いただけるのではないでしょうか?

今後、他のOffice 365のサービス(Skype for BusinessやTeamsなど)への拡張も期待したいところですね。
Office 365は常に機能を拡張し続けているクラウドサービスなので、今後のアップデートを待ちましょう!

その他、Office 365導入に際してご不明な点がございましたら、Office 365相談センターまでお気軽にお問合わせください。
Office 365相談センターでは、法人企業におけるOffice 365の導入前のご相談、ご質問に丁寧に回答いたします!

IT管理者向けに関する記事

管理者に朗報!使われなくなったTeamsのチームの自動削除機能
テレワーク時代の端末紛失対策ならIntune!どんな管理設定ができるかご紹介します
Office 365のこと、どこに問合せすればいいの?
IT管理者向け Office 365のこと、どこに問合せすればいいの?
【Open プログラム変更】2022年1月以降、Open ライセンスでのOffice 365新規発行ができなくなります
どこまで設定すれば安心?OneDrive for Businessの安全対策~どんな事ができる?どうやって設定する?~
Microsoft 365の購入先/プラン/支払タイミングを変えられる?変えたらどうなる?
今後のWindows 7に対するOffice 365のサポート方針は?ESUをつけたらどうなる?
法人の新規利用/更新利用のお客様へ、有効化処理にお困りですか?
Openライセンス終了後もOffice 365/Microsoft 365を使うには、どうすれば良い?
20%値上げ前に!IT管理者なら理解しておきたい5つのポイント
Windows 7を継続利用するためのライセンス「ESU」と2021年の更新のご案内
不正サインインを防ぐ!Microsoft 365の多要素認証と注意したいこと
Microsoft 365 Defender サービスのイロハ ~含まれるサービスと旧名称、主な機能まとめ~
万が一に備え、絶対にやっておくべきMicrosoft 365ログ管理の強化とは?
ズバリ解説!Microsoft 365のテナントは統合できる?テナント間のライセンス移動は可能?
OneDrive for Businessの容量を拡張することは出来る?出来ない?ズバリ解説!
クラウドストレージだから尚更気になる!監査機能
IT管理者向け クラウドストレージだから尚更気になる!監査機能
またまた安全性強化?標準でSharePointとOneDriveが暗号化される!?
Office 365 Openライセンス新規利用/更新利用の仕方
IT管理者向け Office 365 Openライセンス新規利用/更新利用の仕方
上限「300」はテナントごと!! Business系SKU購入条件変更まとめ
Office 2019とOffice 365の「OSのシステム要件」とは
IT管理者向け Office 2019とOffice 365の「OSのシステム要件」とは
Teamsで組織外のユーザーとの通信を制御する方法
IT管理者向け Teamsで組織外のユーザーとの通信を制御する方法
AutoPilotとは?利用のメリットや従来の「イメージ展開」との違い、必要なライセンス・システム要件を解説!
Microsoft CSP:永続型ライセンス(Software in CSP) とは?メリデメ、対象製品などまとめてみた
アカウント乗っ取りや不審アクセス対策の心強い味方「Microsoft Defender for Cloud Apps」
永続ライセンスのOfficeと、Microsoft 365のクラウドサービスを接続して使える?真相を解説!
Microsoft 365・Office 365の管理センターについて機能や使い方を紹介
みんな使ってる!?IT部門のお悩みを解決する人気のオプションプランを紹介
Microsoft 365 Apps for businessだけを契約してTeamsが使えるのか?その真相を解説します
次のOSは「Windows 11」!要件や互換性、Win10/11それぞれのサポート期間などよくある質問にお答えします
Microsoft 365を安心して使える理由!Microsoftの4つのセキュリティ対策
Microsoft 365 Apps を共有PCで使うには?
IT管理者向け Microsoft 365 Apps を共有PCで使うには?
Teamsは、外部ユーザーも招待できます
IT管理者向け Teamsは、外部ユーザーも招待できます
「電子情報開示」(eDiscovery)とは?Microsoft 365ではどんな事ができる?
うちのテナント、いつアップグレードが適用されるの?
Microsoft 365のメールってどのくらい使える?メールボックスの容量や拡張可否まで、一挙解説
Office 365のOfficeにデバイス用ライセンスはありません!
もうOutlookを使った移行は要らない!Office 365へ直接インポート!
Office 365の製品なのに
IT管理者向け Office 365の製品なのに"Azure" AD?
Officeの新しいインストール方式「クイック実行」
IT管理者向け Officeの新しいインストール方式「クイック実行」
Windows 7 を Windows 10 Proにアップグレードする方法
IT管理者向け Windows 7 を Windows 10 Proにアップグレードする方法
Office 365のOfficeの更新プログラムは管理できる?
IT管理者向け Office 365のOfficeの更新プログラムは管理できる?
Officeアプリの「商用利用権」とは?
IT管理者向け Officeアプリの「商用利用権」とは?
Microsoft 365の初期ドメイン(onmicrosoft.com)が既に使われているかどうかの調べ方
ちょっと難しい・・・SharePoint Onlineのアクセス権
IT管理者向け ちょっと難しい・・・SharePoint Onlineのアクセス権

注目の記事

10月リリース!Office LTSC 2024情報まとめ
製品情報 10月リリース!Office LTSC 2024情報まとめ
Microsoft 365 Apps を共有PCで使うには?
IT管理者向け Microsoft 365 Apps を共有PCで使うには?
Copilot for Microsoft 365 対象製品拡大
製品情報 Copilot for Microsoft 365 対象製品拡大

製品についてのお問い合わせ

導入検討にあたって
情報収集中の方へ

Microsoft 365導入にあたって情報収集中の方に嬉しいホワイトペーパーをご提供しています。

導入でお困りの方へ

Microsoft 365導入にあたって不明点などございましたら、Microsoft 365相談センターへ。Microsoft 365に精通したスタッフが皆さまからのお問い合わせをお待ちしております。