みなさんの会社では、リモートワークの制度は導入されているでしょうか。リモートワークと一言で言っても、企業によって職種や業種が異なるためその実態も異なります。
今回は、リモートワークの導入事例や働き方についてご紹介します。
国土交通省の調査によると、ICTなどを活用して普段仕事を行う事業所・仕事場とは違う場所で仕事をしたことがあると答えたテレワーカーは、企業に所属する雇用型テレワーカーの場合、情報通信業で最も多く33.8%、次いで学術研究、専門・技術サービス業の27.0%でした。また職種別では管理職が33.2%、営業が29.2%、研究職が28.7%となっています。※
IT業界はリモートワークの採用率が高い業界です。そもそも、リモートワークに必須となっているICTと親和性が高い業種で、SEやプログラマなど専門性が高く自宅などでも労働環境を整えやすい職種が多いためでしょう。
ある企業 では、革新的なサービスを生み出していくために、従業員が時間・場所にとらわれず、自由に自らの能力を発揮できる環境を提供するための働き方改革の一環としてリモートワーク制度を整備しました。
全社員を対象として、月5回までのリモートワークを認め、勤務場所の制限もないそうです。全社員に対してノートPCとiPhoneを貸与し、Skype for Business※を利用してビデオ通話やビデオ会議に参加できる環境も整えられています。
業務効率向上、台風・大雪時にも在宅で業務遂行可能、家族とのコミュニケーションの増加など複数の面でよい効果があったと報告されていますよ。
自動車メーカー の導入事例では、毎月の上限を40時間として製造工程を除く全職種に対して在宅勤務制度が拡充されました。目的はワークとライフの質の向上で、育児・介護両立者に対しては在宅勤務時間の上限を所定労働時間の50%に引きあげるなどより自由度の高い制度としています。
リモートワーク利用時には、事前にe-ラーニングによる教育を受ける、在宅時の業務計画を作成し承認を受ける、業務の開始・終了はメールで報告、業務中の勤務状況はMicrosoftのCommunicatorを通じて通知するなど、在宅勤務時の管理方法も定められています。
教育・研修・人事コンサルタントを行う企業 の例では、専門性の高さが企業価値につながると言う考えのもと、「プロフェッショナルとしての持続的な成長」を維持するための働き方改革の一環としてリモートワーク制度の拡充を行っています。
利用形態は、自宅やサテライトオフィスを利用する終日利用とオフィス出社前後に利用する短時間利用に分けられています。短時間利用は全等級、終日利用は一定等級以上と、適用範囲が定められています。基本は週2日を前提としていますが、外出を前提とする職種では上限がないほか、育児、介護、病気、怪我などの理由がある場合も、日数の上限なく利用できます。
改革の一環でフリーアドレスを導入し、週1回はオフィスでの定例会議、勤怠管理システムで労働時間を管理など、コミュニケーションを活性化させる施策も取り入れられています。
航空業界 のリモートワーク導入の事例では、育児中の従業員を想定して在宅勤務精度を開始し、今では育児や介護などのライフイベントに関係なく、より多くの社員が利用できるリモートワーク制度へと改善が進められているそうです。
対象はパイロットやキャビンアテンダント、エンジニアなど現場勤務を担当する直接スタッフを除く間接スタッフです。ノートPC、スマホ、仮想デスクトップシステムを利用して、社内システムへのアクセス環境が準備されています。
とても注目されているリモートワークですが、米国のインターネット関連企業や大手コンピューター企業では、一度導入した制度が中止された例 もあります。
制度を中止した明確な理由は発表されていませんが、コミュニケーション不足によるリモートワークの弊害を重視したためと言われています。
企業内で業務を行ううえでは、他者との協調性や意志疎通が重要ですが、リモートワークではコミュニケーションが不足する可能性が指摘されています。個々の働き方の多様性を重視してリモートワークを導入しても、コミュニケーション不足を引き起こしてチーム全体の業務効率が低下してしまっては意味がありません。
実例から見えてきた、リモートワークを導入・成功させるためのポイントと、リモートワークを支援するOffice365のアプリケーションをご紹介します。
など、リモートワークにはさまざま目的があります。
月に数日の在宅勤務が必要とされる場合や毎日在宅勤務を行う場合などのそれぞれに対応した、就業者側のニーズと職種ごとに求められる勤務体制を上手くマッチさせた制度設計が必要です。また、不公平感なく利用しやすい環境を作ることもリモートワークを成功させる条件と言えるでしょう。
リモートオフィス制度の共有、教育にはSharePointの社内Wikiや掲示板が活用できます。制度利用へのハードルを下げるためには、SharePointの承認ワークフローを用いて、誰もが簡単に申請できるシステムも便利です。制度利用のために申請書の書き方を調べたり、何日も前から申請しなければならないのでは利用しにくい制度となってしまいますよね。
リモートオフィスの難関であるコミュニケーション不足の解消も重要な課題です。Teamsを用いたオンラインミーティング、テキストチャット、スレッド型のチャネルの会話などはいずれもコミュニケーション不足を補うツールとなります。
完全なリモートオフィス化を行うとコミュニケーション不足が表面化しかねないため、リモートオフィス勤務を行える日数の上限を設ける企業もあります。遠隔地勤務など、直接の出勤が難しい場合には、表情や声色などの情報量の多いビデオ会議を利用するとよいでしょう。
チームワークの効率を引き上げるためには、プロジェクトやタスクの管理は必須です。業務状況が見えにくいリモートオフィスでは、業務の進捗を確認するためにもタスク管理や勤怠管理の重要性が増すのです。
Plannerは個人のタスクからチームのプロジェクトまでを一括して管理できるアプリケーションです。また、Teamsのプレゼンス機能を使うと、在席情報をリアルタイムで共有する事ができますよ。
働き方の多様性を実現するリモートオフィスだけに、そのあり方も多様です。リモートワークの効果を上手に引き出すためには、実際の業務や目的に合わせた制度づくりがとても大切です。
今回ご紹介した事例は、リモートワークのごく一部に過ぎませんが、みなさんの会社にもそれぞれ適した方法があるのではないでしょうか。リモートワークの導入をお考えの際には、制度の設計と合わせて、リモートワークを支援するOffice 365のサービス導入も合わせて、ぜひご検討ください。
もし導入に際してご不明な点や不安なことがあったら、Office 365相談センターまでお気軽にお問い合わせくださいね。Office 365の専任スタッフが皆さまからのお問い合わせやご相談に丁寧に回答いたします。
では、また次回のブログでお会いしましょう!
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