こんにちは、Microsoft 365 相談センターの五味です。コロナ前と同じとまでは行かないまでも、出社される方が最近ではぐっと増えましたよね。オフィスに9時に出社するときなどは、もうコロナ前と同じくらいの満員電車で、「昔はよく毎日こんなのに乗っていたなぁ...もう毎日は耐えられない...」と思うほどです。
しかし、国内外さまざまな調査結果を見ても、企業の従業員は在宅勤務を続けたいという高いニーズがあるようです。企業としても一度設備投資してまで取り入れたテレワーク環境をバッサリなくすというのも考えもの。今後はより一層、在宅勤務とオフィスへの出社を組み合わせた「ハイブリッドワーク」という働き方が進んでいくことでしょう。弊社も(現在はまだ在宅勤務を主としながらも)今後は週1~2日はオフィスに出社、週3日程度を在宅勤務とするような割合でハイブリッドワークを進めていこうとしています。
さて、そんな「ハイブリッドワーク」で最近注目を集めているのが、「Teams Rooms」というライセンスです。ところがこのライセンス、(ライセンス名が"Rooms"という名前ということもあるのでしょうか...)ちょっと誤解されることが多いのです。
そこで今回の記事では、 【 Teams Rooms とはなにか、Teamsとの違い、必要なライセンスの考え方などの「基本」 】 を解説します。
Teams Rooms とは、Teams会議への接続に必要な機能が備わった会議室などに設置する「Teams認定デバイス」(コンピューター、カメラ、マイク、スピーカー)と、それ専用の特別なライセンスのことです。
「Teams認定デバイス」にTeams Roomsのライセンスを付与すると、会議室から簡単にTeams会議に参加できます。
ここで間違えてはいけないのが、単に今現在会議室に置いてある「共有PC」や「拠点の代表者のPC」で利用できるようなライセンスではないということです。
テレワークやハイブリッドワークが推進されることで、ミーティングに参加させたい社員全員がその場に一同に介することが難しくなってきています。一部の社員は会議室から、一部の社員は自宅や離れた拠点などからTeams会議に参加する時に、Teams Roomsは役立ちます。ハイブリッドワーク時代に嬉しいツールです。
同じ会議室で何名も同時にTeamsに入ってしまうと、音声をミュートに設定し忘れれてハウリングが起こりがちですが、Teams Roomsを使えばそういった問題を解消できます。
また、導入のコストが抑えられることもメリットの一つです。
会議室のモニターにTeams認定デバイスを接続するだけで、Teams会議ができる上、操作感もTeamsに慣れていれば問題なく使用できます。設備の初期投資費用や工事費を抑えられる他、トレーニング費用なども必要ないところは嬉しいですね。
TeamsとTeams RoomsはどちらもTeams会議を行うために必要なライセンス、ツールを指しますが、両者の違いは、主に「ライセンスの考え方」にあります。
Microsoft 365のライセンスがそうであるように、通常のTeamsのライセンスに、デバイスライセンスはありません。
Teamsはユーザー1人あたり1ライセンスが必要な「ユーザーライセンス」です。古くからあるようなビデオ会議ソリューションでは、会議室ライセンスの・ようなものが存在することもあり、よく間違われますが、Teamsはあくまで1ユーザー1ライセンスが必要なライセンスであり、デバイスライセンスは存在しないのです。
ですから、Teamsを1ライセンスだけ購入しておいて、使いたい人だけがその時々で使い回す、というような、都合の良い運用は出来ません。(そもそも、90日以内のライセンスの再割り当ては出来ません。)
しかし、Teams Roomsは、「Teams認定デバイス」専用のデバイスライセンスです。
ただし、あくまで「Teams認定デバイス」専用の特別なライセンスであって、「会議室にある共有PC」や「拠点の代表者のPC」で利用できるライセンスではないことを理解しましょう。
Teams Rooms を導入するのに必要なライセンスや設備は以下のとおりです。
Teams Rooms 認定デバイスの一覧は、Microsoftのウェブサイトで確認できます。
Teams Rooms Pro(旧Teams Rooms Standard)の価格は下記のとおりです。
年契約・月払 | 年契約・年払 | |
---|---|---|
Teams Rooms Pro | 4,350円/ユーザー | 52,200円/ユーザー |
いいえ。Teamsは「会議開催者」だけではなく、「社内」のWeb会議「参加者」にもライセンスが必要です!
Teamsは「Web会議」だけではなく、チャットや在席状況信号を使った社員同士の「コミュニケーションツール」のため、「ユーザー(人=利用者)ライセンス」となっています。
Teamsは「ユーザーライセンス」であり、「会議室」や「拠点」といった設備に対するライセンスはありません。(Teams Roomsのみ、「Teams認定デバイス」に付与するライセンスである。)
また、Teamsの「ユーザーライセンス」を1ライセンス契約して「複数人」で使うことも、「ライセンスの使い回し」で「ライセンス違反」となりますので注意しましょう!
なお、Microsoftのライセンスは1度ユーザーにライセンスを割り当てた後、「90日以内」で他ユーザーへのライセンスの再割り当てが禁止されています。(ただしユーザーの退職や、恒久的にそのユーザーがそのライセンスを利用しない状況になった場合は、例外的に上記ルールが適用されません。)
Teams会議へのアクセス方法には複数の方法(通常の社内Teamsユーザー同士での参加、ゲストアクセス、匿名アクセス)があり、「匿名アクセス」で会議へアクセスする場合だけは、「社内」のユーザーであっても、Teamsのライセンス無しでアクセスはできますが、「匿名」でのアクセスとなるため、安全性の低下を招く恐れがあり、お勧めはできません!
「例外的」に「Teams認定デバイス」に付与できる「デバイス(端末)ライセンス」である Teams Rooms というライセンスが提供されています。
ただし、「Microsoft Teams Rooms Pro」ライセンスは、あくまで「Teams認定デバイス」専用の特別なライセンスであって、「会議室にある共有PC」や「拠点の代表者のPC」で利用できるライセンスではありません。なお、一度「デバイス」に割り当てたライセンスは、「90日以内」に「別のデバイスへのライセンス再割り当て」はできませんので、これも注意しましょう。
「Microsoft Teams Rooms Pro」認定デバイスを購入してWeb会議で利用する際にも、Teamsの全機能は「Microsoft Teams Rooms Standard」から操作ができないため、「会議開催者」にはTeamsの「ユーザーライセンス」を割り当て、会議の設定、会議を開催(参加)してください。
また、「Microsoft Teams Rooms Pro」ライセンスが付与された「Teams Rooms認定デバイス」が設置された会議室では、Teams会議に参加しているTeamsユーザーは自分のデスクトップ画面を「Microsoft Teams Rooms」連携機能の「キャスト」機能を使って投影もできます。
いかがでしたでしょうか?今回の記事では【 Teams Rooms とはなにか、Teamsとの違い、必要なライセンスの考え方などの「基本」 】を解説しました。
何度も繰り返すようですが、Teams Roomsは「Teamsのライセンスを減らすための」「都合の良い」デバイスライセンスではありません。
どちらかと言えば、Teamsを元々コミュニケーションツールとして使っていて、プラスアルファでハイブリッドワーク環境をより一層整えるためのツール、というポジションとお考えいただくのがイメージ的には近いかもしれません。ハイブリッドワーク環境を整備していきたいお客さまにはおすすめのソリューションですが、ライセンスの買い方には注意しましょうね。
とはいえ、なかなかライセンスが結局何本必要なのか、どんなライセンスが必要なのか、わからないというお客さまも多くいらっしゃいますので、TeamsおよびTeams Rooms導入のご相談なら、ぜひMicrosoft 365 相談センターまでお気軽にお問い合わせください。
Microsoft 365の専任スタッフが皆さまからのお問い合わせやご相談に丁寧に回答いたします。
それではまた、次回のブログでお会いいたしましょう!
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